ARを使いeコマースやオンラインショップでコンバージョン率を上げる6つの方法
ポケモンがオフィスの隣にあるカフェで発見されたとき、その熱狂は素晴らしいものでした。革新的なARゲームアプリ、ポケモンGOは人々を引きつけ、拡張現実(AR)を世界中に広めました。しかし、これだけではありません。ARは間もなく、eコマースの波に輝かしく乗る瞬間をもっと体験することになります。
オンラインショッピングは激烈な競争を生き残ろうとしています。どの企業もeコマースで類似のテクノロジーを提供していますが、まだ十分に開拓されていない分野がARです。
ARを使いeコマースやオンラインショップでコンバージョン率を上げる6つの方法
1. リアルタイムで試着姿をAR表示し想像しやすくする
お店の外観のディスプレイに飾ってある美しいドレスを見たときに、自分がそれを着ている姿を想像します。ARを活用してみるとデバイスのフロントカメラが人の体型を瞬時に読み取りリアルタイムで、人の体にAR表示します。インタラクティブな体験が可能になり、ユーザーにドレスを当てて実際の生活ではどのように見えるのか、より想像しやすくしてくれます。
eコマースの収入の大部分が、オンラインで提供できる体験(オンラインショッピング体験を独創的にかつ顧客重視にできるか)に直接かかっているという事実に気付いています。
2. 顧客にAR試着をさせて売り上げを伸ばす
お店で商品購入をする時、興味を持った製品を手に取り試着室に行きます。試着室の外に長い行列ができているのを見てがっかり。試着ができないことは、eコマースのウェブサイトで製品を購入しない主な理由の一つでもあります。
多くのeコマースのウェブサイトは、ウェブカメラ技術を使って、頭からつま先まで服やアクセサリーを顧客に試着させるためのAR試着室コンポーネントを付け加えました。AR試着によって、顧客のできる試着体験を大幅に改善しました。
イギリスのeブティックであるバナナ・フレームはARを使って、電動ミラーの一種としてARスクリーンを利用しました。ARスクリーンにより、顧客に衣服を試着させ服の位置、色、サイズが調整できるバーチャルコントロールを使用しました。
ARスクリーンを利用した場合。自分のカートに商品を入れた顧客の数が昨年1年間に182%増加したそうです。サングラスやメガネを販売する小売店のレイバンも、メガネのAR試着を使って顧客を楽しませています。
3. ARを使ってリアルタイムで家具配置を試す
たくさんのショールームを回ってヒールをつぶし、自分の家の家具にマッチする完璧なソファを見つけられない時は、がっかりします。たとえ最終的に完璧なソファを見つけたとしても、リビングの小さなスペースに押し込むことができないかもしれません。購入して、派手なリクライニングチェアの代わりにL字型のソファを選べばよかったと後悔したことがあります。
幸運にも、ARを使って部屋の写真を撮ることのできるスマートフォンアプリケーションがいくつか存在します。長椅子がフィットするかどうか、もしくはソファの色が壁紙に合うかどうかを3Dで見て、家具を試すことができます。
IKEAの2014年カタログでは、ユーザーが自分のリビングルームにカタログに載っている家具を仮装配置できるマーカー型のARアプリを開発。これによってユーザーはイケアストアに行かなくても、自分の家の中での製品の見た目や大きさを体験し、様々な家具を置く位置を試してみることが可能になりました。
2017年1月16日追記
ARマーカーが必要ないアプリもあります。Google Tango搭載のスマートフォンは、ARマーカー無しで家具の配置や美術館の展示品を探求できたり、イラストの下絵をARで紙に配置してトレースするアプローチもできる機能を搭載しています。
株式会社リビングスタイルは2016年10月3日に、レノボ社のファブレット「PHAB2 Pro」のAR空間認識技術、Google Tangoに対応したARアプリを株式会社大塚家具に提供したことを発表。また、米国大手住宅リフォーム・生活家電チェーン店のLowesはTango対応のスマートフォンのARアプリ『Lowe's Vision』を公開しました。さらに、米国家具オンライン販売会社のWayfairも家具仮想設置ARアプリ『Wayfair View』をリリースしています。
4. マーケティング体験の再定義をする
ARはカタログや新聞でより関連性を帯びてきており、製品を生活にもたらしたり、伝統的なメディアとオンライン領域の間のギャップを埋めています。
ARは仮想コンテンツと現実の世界との混合であり、他の消費者向け技術と同じように、eコマースの分野に進出しています。2015年、ARテクノロジーに特化したアプリケーションの需要は22億ドルでしたが、この数字は今年のポケモンGOの並外れた成功によってさらに大きくなる予測です。
ARはeコマース製品の売り上げを増やし、より多くの転換をもたらす可能性を持っています。なぜなら顧客はARを使って、製品との感情的なつながりをもっと大きく作りだすことができるからです。ARのおかげで、買物客はもっと多くの商品を試したり、見た目を友人と共有することができ、このことがブランドのための口コミマーケティングを促進することになるでしょう。
InStyleは刷られた女性雑誌にQRコードを載せています。「スマートフォンのQRコードで読み取れば、モデルさんのランウェイ動画で再生されるよ!」と表紙に書いておけば、それだけでマーケティングになります。購入者はARアプリをダウンロードして、スマートフォンのカメラを使用しQRコードをスキャンします。見開きのページでファッションモデルが可愛らしい洋服で、ランウェイを歩いている動画がスマートフォン上の画面で拡張され再生されます。こういった購入者に特典として付属させるもの戦略の一つです。
良い例はLayarのマーケティング。カメラを対象物に向けると、対象物はスクリーン上で動き始めます。背景で広告が再生され、対象物に関する新しい情報がぱっと現れて、様々なeコマースのウェブサイトで価格の詳細がAR表示されます。Layarのマーケティングは購入決定方法を変える可能性を秘めています。
5. 3Dジュエリー・ブレスレットをAR試着
BOUCHERON(高級ジュエリー店)はお店を訪れた顧客に、ウェブサイトからリストバンドのコード化された画像をダウンロードするように依頼します。ユーザーはその画像を印刷し、切り取り、ウェブカメラにかざし、ウェブサイトで様々なブレスレットをAR試着。ブレスレットそのものがスクリーン上のユーザーの手首にARで現れます。
6. 最新テクノロジーを使う
アマゾンがヘッドセット無しでも機能するテクノロジーを使ってAR分野に進出するという噂があります。TechCrunch(IT系のニュースを配信する米国大手ニュースサイト)のトッド・チュシド氏は、主なブランド全てが次の3-5年後にARアプリを導入する、と予測。消費者も同様にARに興奮しています。
米国人の63%が、ARは顧客の体験を変えると推測。さらに、35%は商品を購入する前にARで試すことができたら、オンラインで買うことが増えるだろうと回答しています。
AR技術は顧客の体験に新たな感触を加え、退屈なブラウジングを魅力的な体験に変えるでしょう。ユーザーは自分の体をカメラでスキャンして商品を試し、上着が自分に合っているかを見れるようになります。これは本物のオムニチャネルショッピングを生み出す可能性あり。アプリケーションによって、顧客は自分たちが実際の小売店にいることを確信します。
まとめ
ショッピングは、ランウェイを歩くモデルの画像やビデオを見ることだけに限られません。実際に3Dの没入型環境で製品を生活にもたらします。競争は始まっており、早く理解できるブランドが競争者のアドバンテージを手にすることができます。
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