GET AR

世界を変えるARニュースメディア

GoogleのAR技術Tango対応スマホ、「Lenovo Phab 2 Pro」を実機レビュー

2017/03/02
 27293

Google Tango搭載のスマホ、Phab 2 Pro

PC出荷台数で世界最大のベンダーであるLenovo社は2016年12月2日、Googleの空間認識技術Tangoを搭載した大型スマートフォン(ファブレット)「Phab 2 Pro」の国内販売を開始しました。
「Phab 2 Pro」は、通常のRGBカメラに加え、魚眼カメラ、赤外線カメラの合計3つのカメラを持つ世界初の端末です。
Tango対応スマホはLenovoが1年間の独占契約を結び販売権を取得。
ASUSからTango対応の端末が発表されましたが、販売は2017年11月以降になります。

本記事では、Google AR技術Tango対応「Phab 2 Pro」を「開封・ファーストインプレッション」、「機能紹介」、「仕様」、「3つの特徴」に分けながらご紹介していきます。

関連記事
Asus、Google Tango搭載のARスマートフォン『ZenFone AR』を発表

【CES 2017】ASUS、GAPと提携しARショッピングアプリを実現

開封・ファーストインプレッション

化粧箱の外観は、本デバイスの特徴であるカメラ、センサーが見えるように紙箱がくりぬかれています。

公式発表のサイズでは、88.57mm x 179.83mm x 6.96mm。
開封して手に持ってみると非常に大きく、片手だけでの作業は難しいですが、ディスプレイが大きくてとても見やすいのが特徴的です。
「片手操作モード」というものも、用意されていますが、動作はまだ確認できていません。

機能紹介

ここではプリインストールARアプリを紹介しながら、「Phab 2 Pro」でできることを紹介していきます。
まずは「AR camera」です。

深度カメラによって認識された実空間上に、CGのモデルを表示します。
Tango対応デバイスでは後述の技術によって空間を認識しているため、実世界の水平面上に正確に3Dモデルを配置することが可能です。
例えば3Dモデルの猫が、カメラがのとらえている実世界上の机の上を奥へ、または手前へと移動すると、その遠近感を正しく反映して3Dモデルが拡大縮小されます。

「measure」アプリは、カメラがとらえた実世界上のオブジェクトを認識し、選択した地点間の距離を測ることができる優れもの。

measure アプリ

デバイスのスクリーンに投影された2次元の画像上では、3次元世界の1点を奥行きを含めて正確に指定することは難しいです。
しかし、「measure」アプリでは実世界の奥行き(障害物までの距離)を認識して、選択時に補正。
距離はセンチオーダー、1mを超えると表示が「m表示」、小数点第一桁までの表示となります。

関連記事
Google AR技術Tango搭載のLenovo PHAB2 Proの3つの特徴

仕様

製品仕様書
Lenovo PHAB2 Pro 製品仕様書

Tangoデバイスとして特徴的な点としては、背面に設置された各種カメラ、およびセンサー類が挙げられます。
カメラからは、モーショントラッキングカメラと深度カメラが、センサーからはジャイロセンサー、デジタルコンパス、加速度センサーが、それぞれ後述するTangoの技術の柱と深く結びついています。

内蔵カメラ 背面 1600万画素RGBカメラ、デュアルカラーLEDフラッシュライト、像面位相差オートフォーカス(PDAF)対応
深度カメラ (TOF方式)
モーショントラッキングカメラ (DFOV:166°)
センサー類 ジャイロセンサー、デジタルコンパス、光センサー、加速度センサー、近接センサー、GPS、A-GPS、GLONASS、BEIDOU

3つの特徴

Tangoの技術には3つの特徴があります。

  1. Motion Tracking(モーショントラッキング)
    背面の魚眼カメラ(モーショントラッキングカメラ)から取得した画像に対して画像認識を行い、特徴点を抽出。抽出した特異点の移動距離と9軸IMUセンサー(ジャイロセンサー、デジタルコンパス、加速度センサー)から取得した値を用いて、デバイスの軌道、回転の状態を常時監視します。
    模様のない広い壁など、特徴点に乏しい場所では正確にトラッキングを行えないので注意が必要です。
  2. Area Learning(エリアラーニング)
    Motion Trackingで取得したデバイスの軌道・回転の情報を逐次取得し、連続する情報から実世界空間の記録・再構築を可能に。このとき、履歴と最新の記録を常に比較し、ある程度連続して記録をした際に生じる「ずれ」を補正します。
    似たような模様が繰り返される場所では、特徴点の正確な位置関係が認識できず、補正に失敗しやすくなるためこちらも注意が必要です。
  3. Depth Perception(深度センサー)
    深度カメラを使用したtof方式により、デバイスから障害物までの距離を計測。正確に測定するために推奨される測定距離は、室内でおおよそ0.5〜4mとされます。赤外線を多く含む日光や白熱電球の下での使用、および色の黒い赤外線を反射しない物体に対する使用は正確に測定できないため推奨されません。

PANORA
Google Tangoで踊ろう! ARアプリ開発のコツまとめ【ティーポットの独り言】

Tangoアプリの開発は、基本的にこれらの技術を組み合わせることで行います。

以下の手順で実世界の空間を3Dスキャンが可能です。

  1. 3Dデータの取得には、Depth Perceptionによる深度データを用います。
  2. Motion Trackingでデバイスの動きをトラッキングすることで、取得した深度データに適切な追記を行います。
  3. Motion Trackingで生じるトラッキングのずれを、Area Learningで逐次記憶したデータを照合することで補正します。

まとめ

本稿では、「Phab 2 Pro」の紹介として、概要、機能、ハードウェア仕様と、同デバイスに対応しているGoogleによる空間認識技術Tangoについて、簡単に紹介しました。

実際に使用した感想として、現状のTangoの真価が発揮されるのは、実空間に実物大の3Dオブジェクトを設置して、そのスケールを感じるなどの「閲覧・観察」のケースになるかと思います。
床や壁の位置を正確に把握して、その場所に3Dモデルを設置、そしてTangoデバイス越しに3Dモデルを眺めることで、平面のディスプレイ上で3Dモデルを回転させて見ることよりも、よりリアリティを持って対象物を把握・理解することができるようになります。

一方で測定や3Dキャプチャについては、精度や成果物の完成度に不安が残るかもしれません。
「measure」アプリでちょっとした測定を行うなどは問題ありませんが、3Dキャプチャの精度を見る限りでは業務用途には不安が残ります(これについては追って調査したいと思います)。
エンターテイメントに関しては、まだまだ未知数といったところでしょうか。

次回以降では、公式のチュートリアルを通じて実際にアプリケーションを開発していきます。

体験・レポート・レビュー
,