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かめはめ波を放てるARテクノスポーツ「HADO」開発企業にインタビュー

2017/03/11
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新木仁士、波動

2016年10月21日に、ARテクノスポーツ「HADO」開発企業であるmeleap株式会社のCTO 新木仁士氏にインタビューしてきました。

「HADO」は、頭にHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、腕にアームセンサーを装着し、3人1チームで戦います。体を動かして技を発動させフィールドを自由に動き回り味方と連携して楽しむところが特徴です。誰もが子どもの頃に憧れていた「かめはめ波」などの必殺技や、魔法の可視化をウェアラブル技術で実現可能にしました。

そこで、ARテクノスポーツ「HADO」の頂点を決める世界大会、「HADO WORLD CUP 2016」の開催が決定。なんと賞金総額は100万円。初代「HADO」チャンピオンを決定する世界大会が、2016年11月26(土)の10:00から日本工学院専門学校蒲田校の2号館地下4階片柳アリーナで行われます。

新木仁士氏の経歴

  • 2004年3月、愛知県立明和高校卒業
  • 2009年3月、東京理科大学、工学部第一部建築学科で学生向けSNSを開発
  • 2011年3月、東京大学大学院新領域創成科学研究科産業環境学専攻、情報検索やキュレーション、機械学習、画像処理等の技術に触れる
  • 2011年4月 - 2014年1月、富士通株式会社にて、システム運用保守プロセスをベストプラクティスに導くインシデント分析サービス、ビッグデータ分析ツールを用いたインシデント分析サービスの企画・設計・実践。論文コンペに応募し、最優秀論文賞を受賞
  • 2014年1月、株式会社meleap、CTOに就任

「HADO」における呼び方のアクセントは?

新木仁士
──「HADO」のアクセントは、「HADO」( _/ ̄ ̄ )ですか、それとも「HADO」(  ̄\__ )ですか?

新木氏 僕たちは「HADO」( _/ ̄ ̄ )って呼んでいます。上がるほうです。対戦型ゲームのストリートファイターの「波動拳」って、下から上げますよね。

──波動拳からこの「HADO」がきているんですか?

スピリチュアルなパワーみたいなものを連想させるようなイメージで「HADO」ってつけています。名前をつけるとき、案が100〜200個ぐらいあって、その中で商標を押さえられそうなものとか、サービスの内容を連想させられそうなもの、いろんな要件から名前を決めていきました。英単語で、日本人だけじゃなくて海外の人もすぐわかるような短いサービス名を洗い出して、条件を満たすものが「HADO」だったんです。

──1番目に採用されたのが「HADO」で、2番目、3番目は何かありましたか?

新木氏 何だったかな…。大量にありすぎて思い出せないくらいですね。

「HADO」の一番の長所は?

──新木さんが思う、「HADO」の一番の長所を教えてください。これを見たら虜になっちゃうんじゃないか…という。

新木氏 やっぱり、誰もが子どものころに一度は描いた「かめはめ波」や「波動拳」とか、そういった魔法やスキルを誰でも放てるというところが「HADO」の長所です。修行がいらないので。(笑)

──そうですよね。これで(腕を前に突き出してパンチする仕草)撃てますよね。

開発に一番苦労していること、楽なことは?

──その開発に一番苦労していることは何ですか?

新木氏 プレイヤーの位置を検出するというところですね。VRもそうですけど、HTC Viveだとかオキュラスも、プレイヤーがどの位置にいて、どの方向を向いているのかっていうトラッキング精度を高くとることが肝だと思います。

──では、一番簡単だったことは?

新木氏 Unityの環境を使わせていただいたのが楽でしたね。ネイティブコードで衝突判定や、スキルのエフェクトとかを書いていたと考えるとゾっとするので。そういう意味ではUnityにすごいお世話になって、楽させていただきました。

勝つコツは「よける」

──「HADO」対人バージョンで勝つコツはありますか?おそらく動き回ることが一番ベストだと思いますが、80秒間ずっと動いているのは体力的にキツいのかなと。

新木氏 あえてあげるとしたら、敵のエナジーボールをくらわないことです。全部よけることが勝つコツです。

──エナジーボールをよける。防御もできますよね?シールド機能は何回当たったら壊れますか?

新木氏 3回当たったらシールドは壊されちゃいます。なので、相手の予備動作だとか、1つ前に打ってから何秒間かチャージしないと打てないので、そのカウントをして相手の次の攻撃が来るタイミングを見計らってよけるとか、ですね。

バッテリーの持ち具合

──スマートフォンをHMDに挿入して「HADO」をプレイし続けると、スマホのバッテリーはどのくらいもちますか?

新木氏 少なくとも1台だと1日もたないんですよ。充電なしだったら2、3時間ぐらいしかもたないと思います。今、僕らは2つのグループを作っておいて、交互に使うということをしています。スマートフォンを休ませている間は、充電してあげたりしています。

次のアクションの開発

──通常攻撃と防御と必殺技。3つのアクションがあると思いますが、4つ目のアクションは何か考えておられますか?例えば味方を回復させたり、相手の動きを動けなくするとか。

新木氏 正確にいうと、今の「HADO」対人戦は2つのスキルが使えるだけなんです。モンスター戦に関しては、対人バージョンのシールド発動の(リストバンドを装着している腕を下におろして、ゲージが貯まったら、腕を上に振り上げると発動する)動作で必殺技が使えるようになっています。隕石が降ってくるとか、火柱が立つようなものだとか。3つ目、4つ目の必殺技を開発したいと思っているのは、例えば混乱攻撃とか。1回試しに実装してみたのが、その混乱スキルなんですけど、当たった相手はカメラの映像だとか、視界が上下左右反転するみたいな感じです。そういうキャラってどの漫画やゲームにも1人はいるじゃないですか。例えば漫画のBLEACH(ブリーチ)だと、「藍染惣右介」っていうキャラクターが相手の感覚を支配する能力を持っています。今までのゲームはコントローラーを触るだけでしたけど、AR/VRだと視界にかぶせているので、そういった視界を奪うような混乱攻撃や今までにないようなおもしろいスキルが、どんどん出てくると思います。

──混乱状態って、プレイしている人は気持ち悪くなりませんか?

新木氏 うーん…なります(笑)。混乱なのでしょうがないなと思っています。

「HADOカート」

──「HADO」は「対人戦」と仮想モンスターと戦う「リアルモンスターバトル」の2つのバージョンがあると思います。3つ目は何か考えていますか?

新木氏 HADOカート」というものを作っています。目指しているのはマリオカート64のバトルモードです。

──キャラクターの後ろに風船をつけて…。

新木氏 そうですね。マリオカート64はゲームの世界ですが、「HADOカート」は実際にゴーカートのようなカートに乗って、HMDを装着して相手へエナジーボールを撃ち合うようなゲームです。

──アイテムは出てきますか?

新木氏 出ます。理想をいえば、アイテムをとったら相手の他のカートがスピンするとか、そういうところまでできたら、ARだけでなくMR(複合現実)にも到達するので、よりおもしろくなると思っています。

Google Tango対応スマホを活用?

新木仁士
──もうすぐGoogle Tango対応スマートフォンの「Phab 2 Pro」が発売されますが、活用する予定はありますか?

新木氏 少なくとも検証は絶対します。「HADO」の場合は動き回ることを大前提にしているので、大きなスマートフォンだと、重くて首が疲れるとか、そもそも子どもが耐えられないとかいろんな要素があったりするので、Google Tango対応スマートフォンの「Phab 2 Pro」が例えばiPhoneサイズ、iPhone6とか6Sとか搭載されていたら即採用に近かったと思います。上手く相性が合えば、僕らの「HADO」をそちらに展開させていただきます。

2020年テクノオリンピック

──2020年、テクノオリンピックを目指しているそうですが、現実になりそうですか?

新木氏 現実にします!例えば相性良さそうだなと思っているのが、ドローンレースだとか、プロジェクションマッピングを使ったダンスのようなものだとか。今、ただ単にプロジェクションマッピングとダンスを掛け合わせたようなものだと、演者やダンサーの方は操り人形状態ですけど、靴にセンサーを積んでいるようなものであれば、色々な展開ができます。例えば、演者の動き次第で照明が一気に落ちるとか、音楽の曲調がどんどん早くなるとか、そういった新しい魅せるスポーツ、魅力的に見せるスポーツというのもどんどん出てくるだろうと思っています。今、いろんなイベントに参加していて、例えば「超人スポーツ協会」ともご一緒させてもらっているんです。「超人スポーツ協会」の場合はARに限ってじゃないですけど、人を超えたスポーツを作ろうというコンセプトで活動しています。いろんな競技がありますので、超人スポーツの良いところと僕らで作っている「HADO」の、お互い良いところをとり合った大会を2020年に開催したいと思っています。

──現実になったらすごいですね。おもしろいですね。

新木氏 やりたいですね。「攻殻機動隊」というアニメの中に出てくるパラリンピックのシーンで、サイボーグ化した人間たちが100mを5秒とかで走っちゃうんですよ。場合によっては、そこまでいけるような取り組みを彼らと一緒に進めていけたら、よりおもしろそうだなと思っています。

ARMMOの実現性

──モンスター戦バージョンの延長線として、ARMMO(拡張現実型の大規模多人数オンラインRPG)を実現させたいとお考えですが、現実になりそうですか?

新木氏 いろんな要素が必要ですが、現実になると思います。条件として一番のとっかかりが、誰もがマジックリープ社のデバイスとか、マイクロソフト社の「HoloLens」をスマートフォンのように持ち始めるというところですね。誰もがって、ちょっと言い過ぎかもしれないですけど、少なくともiPhoneの発売当初レベルの端末が出て、イノベーターだとかアーリーアダプター層の人たちが持ち始めたら問題なくやれると思います。

AR市場

──今後のARの市場については、どう思いますか?

新木氏 市場規模の予測は色々なサイトが出していますけど、VRよりもAR市場のほうが4倍から5倍くらい、2025年以降もどんどん差が広がっていくっていう予測がたっています。

──ARの市場規模は7兆ドルといっています。絶対流行りますよね。

新木氏 確実に流行りますね。みんながつけてもいいなと思うようなデバイスが出るかどうかが一番カギですけど。最初にポケベルとかスマートフォンが発売されたときって、何でこんなことして電話かけてんの?ってなっていました。それと一緒なので。たくさんの人が使い始めたら、私も買って使おうとなりますよね。

──どんどんデバイス小さくなりますよね。

新木氏 なりますね。普段おかけになっている眼鏡にペタッとシールを貼ったら終わりみたいになったら、みんな買うじゃないですか。

──そうなったらすごいですね。

新木氏 Appleとかもそうですけど、コンタクトレンズの開発も進んでいますし。なので、そこまでいったら誰でも作れるじゃないですか。

──壊れたらときを考えると少し怖いですよね、コンタクトレンズ。

新木氏 僕はコンタクトをつけてないので。つけてない人間にとってはちょっと怖いですよね。でもコンタクトレンズをつけたらとんでもなく素晴らしい便利な世界が待っているならつけますね。

学生時代

──東京大学大学院新領域...東京大学大学院新領域創成科学研究科産業環境学専攻の生活はどうでした?

新木氏 (笑)むちゃくちゃ長いんですよね、名前が。

──これが言いたかった。(笑)

新木氏 言えなかったけど。(笑)

──研究室のパソコン画面と向き合う生活だったとか。

新木氏 そうですね。ストイックに研究しようという研究室でした。今振り返ってみると、すごく良い修行の期間だったなって思います。入学してすぐにサーバー上でこれ動かさなきゃ、サーバールームから出てくるな、みたいなところだったので。それまで一応プログラム多少はやっていましたけど、情報系で4年間やっていた人とか、高専でしっかりやってきた人と違って、僕そんなに詳しくなかったので。

──周りはできる人に囲まれてと、「Wantedly」に書いてありましたね。

新木氏 そうですね。

自社開発したHMD

──自社開発のHMDは、どれくらいの費用がかかりましたか?

新木氏 費用はそこまでかかってないです。100万いくかどうかぐらいですね。僕らが開発したHMDはスマートフォン挿入タイプなので、エレクトロニクスじゃありません。ですので、費用を抑えられてます。

「HADO」の練習方法と酔い

──「HADO」の、練習方法のベストな運動は反復横跳びですか?

新木氏 体力をつけるというのはもちろんありますし、あとは「HADO」に慣れる。やっぱり1、2回しかやってない人と10回以上やっている人じゃ、全然動きが変わってくるので。あとは仕組みを理解してほしいですね。

──「HADO」をプレイして酔う人はいますか?

新木氏 300人に1人、2人いるかどうかです。

──すごい!ほとんど酔わないんですね。

新木氏 そうですね。ほぼ酔わないレベルにまで落とし込みました。VRは周りが全然見えないので、自分の肉体の感覚とずれがどうしても発生しやすい。なので、酔いやすいですけど、僕らの場合は左右も下も解放していて、現実世界のカメラ映像も出しているので、すごく酔いにくいです。

株式会社meleapの名前の由来

──株式会社meleapの名前の由来を教えてください。

新木氏 meleapの由来は、英単語でmerryとleapを組み合わせたんです。メリークリスマスのメリーで、リープはリープモーションのリープです。文法上はおいといて、「陽気に」っていう意味と「飛び跳ねる」っていう意味なんです。それをつなぎ合わせて陽気に飛び跳ねる会社、meleapにしようと。いろいろ社名考えましたけど、響きもかわいいし。ちょっとよみづらいのが欠点ですけど。まあ、GoogleやYahooも最初みんな読めなかったし、いいかと。

今後の展開

新木仁士、波動

──meleap社の今後の展開を教えてください。

新木氏 今後海外にどんどん展開していく予定です。あと「HADO WORLD CUP」も毎年やっていく予定です。それも海外で予選をやったり、日本は日本国内で地方でたくさん予選をやって、年に1回集合してやるとか。あとは「HADO WORLD CUP」だけじゃなくて、例えば「ニコニコHADOカップ」とか、今後繰り広げられていくと思います。あとはITコラボものですね。今、「ドラゴンボール」や「ゴジラ」でご一緒させてもらっていますけど、まだ発表できないでうがいろいろ仕込んでるものがあるので。

──そうですか。実現なるといいですね!本日はインタビューを受けていただき、ありがとうございました。

「HADO WORLD CUP 2016」結果発表
ARテクノスポーツ「HADO WORLD CUP 2016」が、2016年11月26日(土)に日本工学院専門学校蒲田校にて開催されました。
個人戦は樺山博史選手、チーム戦はランニングクラブチームが優勝しました。

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