GET AR

世界を変えるARニュースメディア

Google Tango搭載のAR家具配置アプリ開発企業、リビングスタイルCOO坂本氏とCTO園田氏へインタビュー

2017/01/16
 6258

LivingStyleのロゴと、右、坂本COOと左、園田CTO

空間認識技術Google Tangoを搭載したレノボ社の大型スマートフォン「PHAB2 Pro」を、市販商品として世界初の拡張現実(AR)アプリを株式会社大塚家具の外商部門に提供した企業、株式会社リビングスタイルのCOO坂本尊志氏、CTOの園田一磨氏にインタビューしてきた。上記写真右は坂本尊志氏、左は園田一磨氏。

Google Tango搭載のAR家具配置アプリ開発企業、リビングスタイルCOO坂本氏とCTO園田氏へインタビュー

GoogleのAR技術Tango対応スマホ、『Lenovo Phab 2 Pro』の特徴

  • 佐藤雄一

    Google Tango搭載のアプリの一番の特徴的なものはなんですか?

  • 園田一磨

    世界初のTango搭載という事でして、主な機能は3つがあるんですけども、モーショントラッキング、エリアラーニング、デプスパーセプション(深度センサー)の機能を用いてARを行うと言った所が一番の特徴になります。

  • 佐藤雄一

    そのモーショントラッキング、エリアラーニング、デプスパーセプション(深度センサー)はどの様な用途に使いますか?

  • 園田一磨

    モーショントラッキングは、Tangoの空間を、ARの際空間をスキャンするんですけども、その時にTangoの端末が、どこの場所によってどういう位置を向いてるかっていった所をトラッキングしていくって機能になります。エリアラーニングは、今回、ARでは使ってないですね。デプスパーセプションは進路検査、距離をはかる検査ですね。

園田一磨

株式会社大塚家具の外商部門に提供した、世界初の市販商品の拡張現実(AR)アプリの名前

  • 坂本尊志

    現状のTangoに対応してないもので、すでにApple Store、Google Playに掲載されているものはIDCAR IDC大塚家具、そういうブランドですからIDCARって事になってますが、現時点の仮称という事でよろしければIDCAR FOR TANGOっていう仮称という風にしといていただけるとありがたいと思います。まだ正式にリースではないですから。

GoogleのAR技術Tango対応スマホ、『Lenovo Phab 2 Pro』の短所

  • 坂本尊志

    Tangoは進路系も含めてもってますから、しっかり使うとそれなりにやっぱ電池の持ちが短くなってしまうというのが短所でしょうか。ですが、それは今後改善されていくと思っています。

  • 佐藤雄一

    アプリをずっと起動してた場合、何時間程度もちますか?

  • 坂本尊志

    3時間から4時間ぐらいです。試作版バージョン、いわゆるサンプルですので、最終的な製品版は数十日後に出てきます。我々もそこはまだ手にはしてないので、若干変わってくる可能性はありますね。ですが、ディスプレイが大きくて、とても見やすいです。

坂本尊志

GoogleのAR技術Tango対応スマホ、『Lenovo Phab 2 Pro』の拡張現実(AR)開発プラットフォームについて

  • 園田一磨

    Unityを使っています。Tango SDKのUnity版がございまして、その環境で使っております。

GoogleのAR技術Tango対応スマホ、『Lenovo Phab 2 Pro』の拡張現実(AR)アプリ開発に苦労したこと・楽だったこと

  • 佐藤雄一

    開発に一番苦労した事はありますか?

  • 園田一磨

    Tangoの情報、Tangoを使ったアプリ、Tangoの端末が始めてっていうところで、情報がまず世の中に非常に少ないのと、その中から手探りで少ない情報と公式のドキュメントから色々試しながらやってきたところが、苦労しましたね。

  • 佐藤雄一

    では一番楽だった事は?

  • 園田一磨

    楽だった事ですか。難しいなあ(笑)開発で楽だなと思った事はないですね(笑)

園田一磨氏と坂本尊志の写真

GoogleのAR技術Tango対応スマホ、『Lenovo Phab 2 Pro』の家具配置拡張現実(AR)アプリの次のアプリはなにを考えているか

  • 園田一磨

    ARっていったところも、もちろんあるんですけども、色んなセンサーがあるので、空間のスキャニングが、手軽にできます。これまで数百万する空間のスキャナー専用のスキャナー使って、こう空間をスキャンしてモデリングしてたものが、5万円(約499ドル)の端末で似たような事ができるだろうっていうところから、例えば中古住宅の内装をこうスキャンして、そこに対してリフォーム後のイメージを端末上で、シュミレーションですとか、そういったところが今後応用できるかなと思います。

  • 坂本尊志

    壁紙を変えると、こうなります。今の床は絨毯ですけどフローリングにすればこんな風になりますねとか。そういう、リフォームの提案がその3Dのモデリングを通してできます。

リビングスタイルCOO坂本氏が考える、今後の拡張現実(AR)アプリの需要

  • 坂本尊志

    ポケモンGOが、市場にとってはインパクトが大きくて、今までARって何?って言われてたんですね。その時は世界カメラですとか、いわゆるあの辺まで話しを巻き戻して、お話しをする必要があったんです。ただやはりポケモンGOっていうのはこれだけポピュラーになって、ARっていう言葉がやっぱ市民権を得たと思っていますね。ARっていうと、だいたい皆こういうもんだっていう風に想像ができて、それがあまり実際のものとずれてないっていう状況になってきました。今回Tangoを使ってみて、もちろんそのリアルサイズや、衝突検知など、我々の大塚家具様にご提供するアプリでも、色んなメリットがありますが、一番特徴的なメリットは、マーカーが要らないんですね。
    今まで我々もルムコという通常のARアプリを出していますが、かなりの数のダウンロードをしていただいています。家具も10万点ぐらいの家具を集録しているアプリケーションもすでに、この夏から本格的に展開をしています。ただやはり、マーカーがないとキチっとしたリアルサイズを再生、リアルスケールでスマホの中に表示できない、マーカーを失ってしまうと途端に不安定になるのが、これまでのARの見解でした。このTangoは、マーカーレスで家具を配置して、後ろを180度振り返って、また戻ってもちゃんと同じ所に家具があるんですね。これからは、ARの用途として何もない所にベッド、ソファ、テーブルを置いてという事をやっていくと思うんです。リアルサイズで表示すると、マーカーっていうのは極めて小さくなってしまって、非常に表示が不安定になるんです。そういったところでもTangoっていうのは十分に安定してきちっとモデルが表示できるっていう事であったり、後は屋外に持ち出しの場合もそうですね。

  • 佐藤雄一

    屋外ですか?

  • 坂本尊志

    例えば住まいの領域でいうとカーポートのガレージみたいな大きな物を、ここに表示したいと、そうなってくるとマーカーってとっても小さくなるので、非常にARとしてはやりづらいというところでいくと、大きな物を屋外に表示するっていう事も極めて安定して、リアルサイズで高品質でできる様になってきます。やはり色々Tangoの良いところはあるんですけど、ARが本格的に実用に頼るものになるという感覚はありますね。

  • 佐藤雄一

    マーカーレスという事ですね。

  • 坂本尊志

    マーカーレスですね。非常にXYZでは3次元の中で物の位置を特定しますので、極めてこう色んなとこ見ても安定してます。今まではマーカーは、一回外すとすぐに家具が飛んでいっちゃうんですよ(笑)

園田一磨氏と坂本尊志の写真

リビングスタイルCTO園田氏が考える、GoogleのAR技術Tango対応スマホ、『Lenovo Phab 2 Pro』の拡張現実(AR)アプリはARでなくて複合現実(MR)

  • 園田一磨

    面白いのは、ARってるんですけども、実はMR、Mixed Reality(複合現実)のくくりなのかなと。定義がすごくAR、MR、VRの定義が何ぞやってところもありますが。現実世界の物体とこのコンピューターの中の物体とが、ただ同居させるだけだったらAR。それが互いに作用する、現実世界の物とコンピューターの中の物が互いに作用するってところが、MRかなと思っています。壁とか、床とかを認識してるので、コンピューターの中のオブジェクトのボールを投げれば、あたかも当たったかの様に跳ね返ってくると。そこが今までのARとは、全く違くて、そういう意味ではARって言っているけど、実はMRだと思います。ゲームの世界なんかだと、でも面白いと思っていて、何にもない今までのARで、例えばドミノ倒しが、どこでも倒れるんですけども、自分の目の前にパソコンがあってドミノ倒しが、ここでカタっと止める事とかもできる訳ですね。そこがARって言ってるけど、MRでもあるんですよね。

  • 佐藤雄一

    MRですか。

  • 園田一磨

    そこは今までのものとは全然違います。どこがって、そういうとこが面白いですね。

拡張現実(AR)ゲームを開発する予定について

  • 坂本尊志

    基本的に我々は、こう住環境を豊かにしたいっていう風なところが目標の会社ですので、そのベクトリーに沿ったものについては、こういう新しいテクノロジーどんどん使っていきたいと思います。それは現時点では家具のバーチャルの配置ですけれども、先ほど園田が申し上げたようにリフォームで使えないかとか、後は屋外のですね。例えば、ガレージかもしれない、物置や植栽かもしれない、そういったとこでも使えないかとか、住まいに関わるとこでは我々はどんどん広げていきたいと思ってますけども、なかなか家具を使ったゲームって、あんまり思い浮かばないじゃないですか。もし、いいアイディアがあれば、本当に家具と親しんで頂く事ができれば、それはゲームでもありだと思うんですよね。

家具販売業者にGoogleのAR技術Tango対応スマホ、『Lenovo Phab 2 Pro』の拡張現実(AR)アプリの提供について

  • 佐藤雄一

    大塚家具さんと提携してると思うんですけども、他の家具販売業者さん、たとえばイケアさんにGoogle Tango搭載したPHAB 2 Proを提供する予定とかありますか?

  • 坂本尊志

    イケア様もARアプリをお持ちですので、そういったところから、質問して頂いてると思うんですが、イケア様は非常にワールドワイドに展開してる大きな会社様で、そういった所でそのアプリケーションをご自身で開発をされていると思います。現時点で我々、イケア様の為にお仕事さして頂いてるかっていうとそういう訳ではないですね。一方で大塚家具様に対しては、この9月から、まずはいわゆるVRのシュミレーターと後は従来のiPhone、Android、スマートフォンで動作するARアプリケーションをご提供しています。今回それを一歩進めた形でTangoを提供しました。なぜ大塚家具様だったかというとこなんですけれども、一つは外商部門をお持ちなんですね。例えば家具を沢山買われるお客様の所に出向いて行かれて、何かサービスをするとか、後は契約で法人販売ですね。ホテル、それからレストランそういった所にも、当然ながらインテリアがあります。ソファ、チェア、テーブルありますよね。そういったところのご提案とか販売っていうのは大塚家具様は非常に得意にされています。そうなってくると、これがコーシューマーに幅広く、行き渡ると思うんですが、これから直近の数ヶ月を考えるとまだ、数としてはそれほど多くない。といったところでいくとBtoBのデバイスが、まず最初に普及されるだろうと思っていました。そういった意味で、例えば新しくできるホテルでインテリアのレイアウトを考えられる時に、大塚家具様のご担当の方が現地に行かれて、これを使ってリアルサイズでマーカーレスで表示するっていう風なストーリーができたんですね。

リビングスタイルのGoogleのAR技術Tango対応スマホ、『Lenovo Phab 2 Pro』の拡張現実(AR)アプリの展開について

  • 佐藤雄一

    最後にGoogle Tangoを使った今後の展開について教えてください。

  • 坂本尊志

    Tangoを使ったアプリ開発は大変だと思いますけども、非常に未来を感じる技術なんですね。我々としてはこれは、継続的に力を入れて、アプリ開発やご提案、家具の配置、リフォームでの活用もそうですし、今までやりたくてなかなかできなかった事が、このTango技術でいくつか解決されるだろうと思っています。当初は我々からの提案になると思うんですけれども、いくつかご提案しているうちに、こういう事できないの?っていう風に、恐らくお問い合わせもいただけるんじゃないかと思っています。現時点ではTangoっていうのは、まだまだ時間としては浅いですけれども、ただ世界中が、そういう状況だと思っていますから。我々は今年で10年目なんですけれども、そういったノウハウなり、住まい、家具っていうところにこだわってきた立場として、この新しい技術をどういう風に皆さんの生活を便利にするのか、というところはやっていきたいと思っています。

関連記事
世界初!リビングスタイルがGoogle Tangoに対応したARアプリを大塚家具へ提供

Google AR技術Tango搭載のLenovo PHAB2 Proの3つの特徴

【CEATEC2016 イベント】Google Tango搭載のスマホでインテリア家具配置ARアプリデモを体験レポート

IDC大塚家具
家具・インテリアのショールーム IDC大塚家具

Living Style
株式会社リビングスタイル LivingStyle

2016年1月16日追記
株式会社アイリッジおよび株式会社リビングスタイルは、三井デザインテック株式会社が提供する会員制インテリアクーポンアプリ『iLMiO』のバージョンアップを開発支援をしたと2017年1月5日に発表した。

『iLMiO』がバージョンアップ、『iLMio AR』と連携でARインテリアコーディネイトを実現

ARアプリ Google Tango インタビュー 家具

國士舘大学体育大学武道学科卒→商社→セブ留学→独学でWebを勉強→GET AR管理人。ARの可能性に興味をもち、AR大好きな人。語彙はないが、情熱はある人。

次回予告
気になる方は登録を↓
follow us in feedly