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香港の外科医がARソフトウェアを手術に活用、医療の問題解決を目指す

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ARで肝臓の中を閲覧している写真

香港は沙田区にある香港中文大学の出身者は、医療現場でのARの活用を開拓してきた。低侵襲手術中に、手術に集中できるように、複数の画像を見る必要をなくすための技術である。

沙田区のプリンス・オブ・ウェールズ病院で、整形外科医として勤めるCatherine Chan Po-ling(以下チャン氏)は述べた。開拓された技術は、低侵襲手術や鍵穴手術をする際に外科医につきまとう限界のひとつを、解決した。

ARによる環境改善

ブタの肝臓でデモンストレーションをしながら、チャン氏は説明した。「肝臓がガン細胞を持っているかどうかを確かめるには、超音波プローブを使って、肝臓の表面下を見る必要がある。ここにあるのは、画像を示す2台のカメラ。1台目は従来のカメラで、肝臓の表面を映すもの。2台目は、妊婦の胎内にいる胎児の様子を映し出すモノクロ映像と同じような見え方の、超音波プローブのカメラである。医師は、同時に2台のプローブを操作しながら、2台の画面に表示される2種類の画像を見なければならないのだ。この操作には、視覚と手の反射的な協調関係が、じゅうぶんに求められる。これが長い間、低侵襲手術に関する最大の問題だと言われてきた」

ヒットしたARゲーム・ポケモンGOでは、デジタル画像のポケモンが、実際の世界に表示される。チャン氏の開拓した新AR技術は、通常のカメラと超音波プローブの画像を合成させる。コンピュータ・ビジョン・トラッキング技術で、双方を融合させるのだ。

「ポケモンGOプレイヤーの携帯画面上にポケモンが表示されるように、プローブで映し出した身体の部位をリアルタイムで合成し、画像を画面に表示させる。」

技術開発までの道のり

チャン氏は、幼い頃から研究熱心だった。「私は子どもの頃から、エンジニアになりたいと思っていた。インペリアル・カレッジは以前私に、機械工学を学ぶことを提案した。しかし私は、医者になることがより良いキャリアの道だと両親が言うのと同じ考えで、中文大学で医療を学ぶことを選んだ。」

チャン氏は、医療ロボットや手術における画像誘導介入の修士号を取るために、英の公立研究大学インペリアル・カレッジ・ロンドンに昨年送られた最初の卒業生だった。これは、革新的な医療を進めるためのChow Yuk Ho技術センターが昨年設立された後、医療技術と医療分野との連携を大学が後押ししようとする大学の、動きの一環だった。

カレッジ最後の年に、彼女は香港大学の物理学の卒業生と共に、英国でMedEXO Roboticsというスタートアップを共同設立した。彼女らの発明は、パーキンソン病を有する患者の手の震えを低減するロボット装置だ。発明は最近、DBS銀行主催のスタートアップコンペで45万香港ドルを獲得した。

今後について

チャン氏は続けた。「ARソフトウェアは、インペリアル・カレッジのエンジニアによって書かれた。しかし、彼らはちっとも臨床の現場に入ることなくソフトウェアを発明した。カレッジでの14人のクラスメイトの中では、私を含め3人だけしか、医療の知識や背景を持っていなかった。中文大学を代表し、中文大学の指導教員の下で働いた者として、医療用途にAR技術を適用するのは我々が世界初だ。」

「技術は今のところ、完璧には程遠い。インペリアル・カレッジチームは、ソフトウェアを改良している。我々は、画像の安定性を改善する必要がある。2年後には、実際的な臨床の現場で活用する。研究のため、現時点ではブタの肝臓を使用している。のちに解剖用の人体に切り替え、データ収集のためにシステムを実際の患者にも活用する。今後このAR技術は、手術支援ロボットda Vinci(ダ・ヴィンチ)と同じように、すべての低侵襲手術に適用できるようになるだろう。」

チャン氏は、医療における技術発明を後押しする必要があると言う。「産業分野では自動車のスマートアシスト機能など、多くのブレイクスルーが開拓されている。それに比較すれば、医学の技術発明は、はるかに少ないのだ。」

まとめ

ARは、いまやゲームの世界のものだけではない。AR技術と医療分野には、日進月歩での成長が求められる。医療の未来がARによって強化されるならば、より多くの可能性が広がり、様々な病状の改善が期待できるのではないだろうか。

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記事元
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