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ARとVRの進化にともなう高等教育でのITインフラと学習の変化

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左、Virtual Realityヘッドセットの写真、右、高校生たちが先生の授業に集中している写真

ポケモンGOは、数十年前のキャラクターを登場させることで、ARをコンピュータの演算上の好奇心に留まらない、ポップカルチャーへと一変させた。

そして、ポケモンGOを下支えするAR技術を十分に活用しようとする高等教育にとっては、旧来のデータ転送方法が必要となるかもしれない。通信ネットワークを介したコンピュータ間におけるデータ共有ではなく、フロッピーディスクなどを使って個々人がデータを持ち運びする、スニーカーネットと呼ばれる方法だ。

ポケモンGOおよび他のAR・VRを活用した製品を作り上げるのに使われるUnityというツールキットは、とても大規模なプロジェクトファイルを生み出すため、動作が重くなりがちである。ポータブルなハードドライブでそれらを動かすと、より簡単で速くなり得るという。

スニーカーネット

ジャーナリズム・イノベーションの教授であるDan Pacheco(以下パチェコ氏)は、ニューハウススクールの場合について語った。ニューハウススクールとは、アメリカはニューヨーク州にあるシラキュース大学を代表するスクールのひとつだ。主にジャーナリズムや広告など、マスメディア関連プログラムを学ぶ場である。

パチェコ氏が受け持つVRストーリーテリング・コースの生徒たちは、一般に20ギガバイトの容量を必要とする360°ムービーを製作するために、Unityの3Dエンジンを使用している。

「どれだけ速い光ファイバ接続を介したとしても、サーバーにアップロードするのは大変なのだ。」パチェコ氏は述べている。彼はいずれ、より速くて遅延の少ないアップロードとダウンロードリンクにアップグレードしたくなる時がくることを予見しているが、「今のところは、スニーカーネットはかなり上手く働いている。」と認めている。

問題改善の試み

手術している3人の医師とVRヘッドセットを装着している女性の写真

ワシントンD.C.の郊外に位置するメリーランド大学カレッジパーク校も、同様の問題を抱えた。研究者と学生が没入型テクノロジーの実用的なアプリケーションをテストできるAR・VR試験設備Augmentariumを設計するにあたって、遅延に関する問題は克服する必要があった。

同大学Advanced Computer Studies研究所の責任者であるAmitabh Varshney氏は言う。「そこでは、非常に迅速かつ容易に、数百ギガバイトのデータが入る。」ITのプロフェッショナル達は、サーバーを地階に置いた。研究所ワークステーションへのリンクの待ち時間を縮めるために、より小さなデータセンターを4階に置くことで、問題の克服を図った。

技術発展にともなう設備の用意

AR・VR技術の発展にあたって、ただ低遅延を維持することだけが、ITチームにとっての唯一の懸念ではない。技術革新に関するニュースを発信するオンライン情報サイトData Center Frontierの記事によると、「VRは、接続性とデータストレージに、前代未聞のレベルの馬力を必要とするだろう」とのことだ。それはコンピュータや通信機器、ネットワークやソフトウェアなどの、ITインフラストラクチャのアップグレードを意味している。高まる需要をサポートするためには、不可欠なことである。

ハードルがあるにも関わらず、高等機関は、没入型テクノロジーをキャンパスに持ち込むことに意欲的である。AugmentariumのようなAR・VR試験設備は、機関を分化し、最も優秀な生徒を誘致しようとしている。その他にも、米国ニューメディア・コンソーシアム(NMC)が、今後5年間の技術動向を解説するホライズン・レポート2016年版で、ARとVRの教育的有用性を指摘した。

AR、VRによって変わる学習

早期の試験では、集団力学の強化やピアツーピア学習など、教室にプラスの影響が出ていることがレポートによって示された。ARは、現実世界の状況をより密接に映した豊かな文脈をセッティングすることによって、学生の学びを手助けできる技術だとも言われている。

レポートによって示されたAR・VRの採用時間がわずか2~3年であることから、専門大学・短大・総合大学は、どのようにすれば没入型テクノロジーが彼らのオペレーションに適合するのかを検討し始める必要がある。大学側は、教員やITチームに、データセンターをアップグレードする前の実験のために必要な時間と空間を与えねばならない。サーバーラックに投資する前に、単一のUnityで運営できるワークステーションを試運転することは、始め方としては理想的な方法だと言える。しかしどんなに実装に成功したARとVRでも、部門リードとIT部門の間のコラボレーションが欠かせない。

「教授陣とITマネジャーはそれぞれ、歩調を揃えて進んでいくことが大切だ」とパチェコ氏は述べている。

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翻訳元

Higher Ed's Augmented-Reality Ambitions Highlight Infrastructure Requirements

ARニュース 教育

ライティング修行中。様々な可能性を秘めたARとの関わり方を考えています。ARの発展と共に、この社会がより良くなっていく事を期待しています。

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