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2016年末版のAR業界最新マップまとめ

2017/01/30
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米国VR/ARを専門とした企業、The Venture Reality Fund(VR ファンド)が2016年12月に、最新のAR(拡張現実)業界調査を業界マップ「AR Industry Landscape」を公開しました。ARに関するInfrastructure(インフラ)、Tool(ツール)、Platform(プラットフォーム)、Application(アプリ)などを展開・開発する分野を抜粋してまとめました。

AR / VR Map
The Venture Reality Fund

まとめた分野はゲーム、コンシューマー(一般消費者向け)、エンタープライズ、医療、教育、SDK(開発キット)、ヘッドマウントディスプレイ。マップ内にMicrosoft(HoloLens)が見受けられ、すべての分野において必要とされています。

1. AR業界のゲーム分野

ARゲーム分野では、マジックリープ社、ナイアンティック社などが見られます。マジックリープ社はまだ販売にこぎつけていないもののナイアンティックはARゲームアプリ、ポケモンGOを今年7月にリリース、世界各国でプレイされました。

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マジックリープ社はCMOが退社し、携帯電話用オペレーティングシステムの開発会社Android社を創業したアンディー・ルビン氏のプロジェクトに参加しました。BusinessInsiderの記事ではマジックリープ社のデモ動画はテクノロジーではなくて、合成映像だと報道しています。

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2. AR業界のコンシューマー向け分野

コンシューマー向け分野の中でもSNS開発企業が見られます。スマートグラスを開発しようとしているFacebook社、世界的ゲームアプリを開発した企業と提携したZappar社や、モバイルAR広告に力を入れようとしているSnap社がありました。

ARスマートグラスに興味ありのFacebook

Facebook社はこれといった製品が見受けられませんが、同社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏はARに興味を持っており、WSJDのライブカンファレンスでは、AIを利用したARアートアプリを公開しています。

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Angry Birds開発企業のRovioと提携したZappar

Zappar社は拡張現実(AR)アプリ、ARヘッドセット、ARプラットフォーム開発企業。世界的人気アプリ、Angry Birdsを開発したRovio社は2016年4月に、カードやステッカーを物理的なコードでスマートフォン上にAR表示するZappar社と提携。スキャンシステムBirdCodesを埋め込んだAngry Birds Action!アプリをリリースしています。

コンシューマー向けとして世界的に有名なRovio社と提携したのは、Zappar社にとってとても魅力的だと思います。

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モバイルAR広告に力を注いでいるSnap(Snapchat)

1億人のユーザーが毎日Snapchatを利用し、中でもジオフィルター機能は多くの支持を得ているSnap社。ユーザーは、友人に写真を公開する時に、ブランドのロゴを使用し飾ることができることが特徴です。SnapのAR広告はモバイルアプリにおいて大きな収益をもたらします。

またSnap社は2016年12月25日(米国時間)、3000万~4000万ドルの取引で、イスラエルを拠点とするARスタートアップ企業Cimagine Media社を買収したと米ニュースメディアventurebeat他2社が報道しています。

Snap社が買収したCimagine Media社は、AR Eコマースのプラットフォームを提供している企業。Cimagine Media社を買収することで、AR事業を取り込もうとしている背景がうかがえます。

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3. AR業界のエンタープライズ

主にARプラットフォームを提供している企業が見受けられました。小売業者やブランドはARプラットフォームを使用して顧客をトリコにします。必要不可欠なARプラットフォームは、将来の需要を先取りするでしょう。

AR Eコマースプラットフォーム開発企業、Augment

Augment社のデータベースは、ARのEコマースプラットフォームを使用し、会社のキッチン用品からオフィス家具といった製品の選択を、より簡単でシンプルにできます。アプリはもちろんGoogle PlayやApp Storeからダウンロードが可能。モバイルとウェブサイト両方で提供しています。ARやバーチャル機能を用いて、利用者が購入前に商品を試すことができます。

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ARプラットフォームを提供する、ScopeAR

Scope AR社はARプラットフォームを提供する企業、2011年にはプロジェクトでボーイング社と協力し共同でARプラットフォームを開発しています。活用する企業は、製造業、鉱業、教育、エネルギー、自動車、およびその他の業界。

ScopeAR社はSusa Ventures社、Presenceキャピタルファンド社とNew Stack Ventures社から200万ドル調達しています。

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4. AR業界の医療分野

3D4Medical社はアイルランドに拠点を置くソフトウェア企業。解剖学を体験しているかのような医療のトレーニングができるARアプリのリリースに向けて進んでいます。Project Esperはプロジェクト名。3D4Medicalは医療トレーニングは医療分野に革命を起こします。

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5. AR業界の教育分野

スマートヘルメット、スマートメガネ開発企業のDAQRI社に続いて、Lifeliqe、EvoBooksの名前が並べられています。DAQRIは産業用スマートヘルメット開発企業で名をはせていますが、コーディングなしで実装できるDAQRI 4D Studioエディタを使って教育分野にも力を入れています。

DAQRI所属のBrad Waid氏は2016年9月25日に、学習の冒険を作り出す魅力的で素晴らしい経験をさせることを目的とし、活動している教育機関AugThatの公式役員に採用されました。

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6. AR業界のSDK分野

SDK(開発キット)分野では、開発者にとって必要不可欠なツール。数々の企業と提携しているBlippar社やARプラットフォーム開発企業Vuforia社、画像認識技術を提供する、Kudan社が見られました。

AR技術を提供する老舗企業、Blippar

Blippar社はAR技術を活用しているスタートアップ企業。モバイルアプリにリアルタイムの顔認識技術を追加して、ユーザーが利用できるAugmented Reality Face Profiles(AR顔プロフィール)の作成しました。

他クリスマスの買い物客に高級なオファーと夢中になれるショッピング体験を提供したり、自動車メーカー広告代理店と提携。画像認識技術を活用しスマートフォンのカメラで雑誌をスキャンし、ARホログラムポルシェ自動車をスマートフォンの画面上に3D表示しました。

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ARプラットフォーム提供企業、Vuforia

Vuforia社は、ARプラットフォームのVuforia 6の最新バージョンを発表している。今や世界有数の企業であり、25万人以上の開発者を魅了して、その過程で最大のARエコシステムを作成している。

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画像認識技術を提供する、Kudan

Kudan社はVR/AR、IoT、ロボット工学、人工知能アプリケーションのための三次元認識や画像認識技術を提供する世界的なコンピュータビジョン技術企業です。

2016年10月に日本のHakuhodo(以下 博報堂)グループの博報堂プロダクツとパートナーシップを締結しています。

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7. AR業界のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)分野

HMDはウェアラブルコンピュータの一つで、頭部に装着するディスプレイ装置のこと。HMD分野の企業では、よりよい商品を届けようと販売延期はよくあることだそうです。ここではヘッドセット、ヘルメット、メガネ型デバイスのそれぞれの分野があります。

ARヘッドセット開発企業、Meta

ARヘッドセット開発企業Meta社は、2016年9月に出荷を延期しています。

2016年内に出荷開始しないと米VRメディアが報じましたが2016年12月21日には、ARヘッドセットMeta 2開発者向けキットが出荷したと同社のTwitterにて報じました。

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メガネ型ARスマートグラス開発企業、castAR

castARはメガネ型拡張現実(AR)スマートグラス開発企業。2016年8月18日にCEO兼COOとしてダレル・ロドリゲススティーブ・パーキスの就任を発表しました。

同年9月15日にユタ州の州都ソフトレイクシティで新しいスタジオを設立し、ディズニーインフィニティゲームを開発した従業員を雇用。さらに10月20日、回帰反射型と呼ばれる反射シートの上に仮想の画像を表示する、シースルーの眼鏡を2017年のローンチを約束しています。

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産業用スマートヘルメットを開発している、DAQRI

米カリフォルニア州ロサンゼルスに構えるスマートヘルメット開発企業DAQRI社。DAQRI社は安全性と機能性、能率的でデザイン性が高く市場で唯一の製品。DAQRI社ができることは、新しい解決策を可能にする強力なARツールを提供します。

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メガネ型シースルースマートグラスを開発した、EPSON

2016年11月30日にARスマートグラス EPSON MOVERIO『BT-300』を開発・発売したセイコーエプソン株式会社。『BT-300』は、コントローラー兼用の本体がセットとなったスマートデバイス。独自開発の有機ELディスプレイを採用した。軽量化、高輝度、高コンストラスト、高解像度、高画質化まで実現した「表示枠を意識させない映像表現」が特徴です。

拡張現実(AR)と仮想現実(VR)のためのハンドトラッキングとヘッドトラッキング技術のパイオニアuSens Inc.(以下ユーセンズ)は2017年1月4日(米国時間)、同社の26DoFハンドトラッキング技術Fingoが、EPSON MOVERIO BT-300 Developer Editionと互換性があることを発表しています。

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医療や建設現場で活用できるARスマートグラス開発企業、Atheer

Atheer社はコミュニケーションツールとしての優れた点が認められたスマートグラスAtheer Air GLASSESを開発。AiRには、Augmented interactive Realityの意味が込められています。

医療の現場における健康管理や建設現場では、実際に手元にカルテや図面がなくてもスマートグラスのディスプレイで重畳表示が可能。医者の業務の手間をなくし、効率化を図ります。

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Recon Jetを開発したRecon(現intel)

intel社が買収した、カナダのウエアラブルコンピューター企業Recon Instruments社。Recon instrumentsが開発したRecon Jetはスポーツ分野に向けたスポーツ用スマートグラスです。競走関連(ロードバイクやジョギングやマラソン)向けに特化していて、フィットネス愛好家だけでなくプロアスリートのためのデバイスでもあります。

株式会社美貴本はスマートグラスの、Vuzix M100やRecon Jet、Sony SmartEyeglass Developer Edition SED-E1を代理店として販売しています。

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3つの新しいウェアラブル製品モデルを発表した、Vuzix

米国の大手サプライヤーVuzixは2016年11月11日に、3つの新しいウェアラブル製品モデル、レンズの厚みがわずか1.4mmで、シースルー光導波路技術を活用したスマートグラス3000シリーズを公開しました。

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新しいVuzix M300は、M100以前の製品を2年以上に渡って生産している間に得られた顧客からのフィードバックに対応するために設計された、次世代のスマートグラス。Vuzix M300の高度な人間工学に基づいた設計と機能により、企業ユーザーはより多くの状況と複雑なユースケースを達成することができます。

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まとめ

以上、ARついて展開・開発する分野を抜粋してまとめました。

ARにおいては、2020年までに900億ドルの市場になることが、テクノロジーアドバイザーのデジ・キャピタルによって予想されています。なお、そのうち大半のシェア率を誇るARです。

2017年1月30日現在で、開発者や消費者にニーズがあるものはモバイルを使ったARゲームやARアプリが主流だと思います。それはスマートフォンを誰しもが持っていて、かつ利用しやすいからです。かのポケモンGOがそうでした。

スマートフォンを持っていない人が笑われる時代になりつつありますが、数年後はメガネ型のデバイスを装着していない人が笑われる時代がくると思います。

その需要を見越して、デバイス・アプリを開発する企業や個人をGET ARは全力で応援したいです。

まとめ
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國士舘大学体育大学武道学科卒→商社→セブ留学→独学でWebを勉強→GET AR営業マン。ARの可能性に興味をもち、AR大好きな人。語彙はないが、情熱のある人。