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2016年末版のAR業界最新マップ!7つの業界を分野別にしてみた

2017/05/17
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米国企業の「The Venture Reality Fund(ベンチャーリアリティーファンド)」は2016年12月に、最新のAR(拡張現実)業界調査を業界マップ「AR Industry Landscape」を公開しました。ARに関するInfrastructure(インフラ)、Tool(ツール)、Platform(プラットフォーム)、Application(アプリ)などを展開・開発する企業を掲載しています。

分野別ではゲーム、コンシューマー(一般消費者向け)、エンタープライズ、医療、教育、SDK(開発キット)、ヘッドマウントディスプレイが記載。マップ内にマイクロソフト(HoloLens)が見受けられ、業界全体において必要とされていることがわかります。

AR業界最新マップの7つの分野

1. ゲーム分野

ARゲーム分野では、マジックリープ社、ナイアンティック社などが見られます。マジックリープ社はまだ販売にこぎつけていないもののナイアンティックはARゲームアプリの「ポケモンGO」を今年7月にリリースして世界中でプレイされました。

Magic Leap ロゴ

マジックリープ社はCMOのBrian Wallace(ブライアン・ウォレス氏)が退社し、携帯電話用オペレーティングシステム開発のAndroid社を創業したアンディー・ルビン氏のプロジェクトに参加しました。BusinessInsiderの記事ではマジックリープ社のデモ動画はテクノロジーではなくて、合成映像だと報道しています。

2. コンシューマー向け分野

コンシューマー向け分野の中でもSNS開発企業が見られます。スマートグラスを開発しようとしているフェイスブック社、世界的ゲームアプリを開発したRovio社と提携したZappar(ザッパー社)や、モバイルAR広告に力を入れようとしているSnap(スナップ社)がありました。

Facebook

Facebook ロゴ

フェイスブック社はこれといった製品が見受けられませんが、同社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏はARスマートグラスに興味を持っており、WSJDのライブカンファレンスでは、AIを利用したARアートアプリを公開しています。

Zappar

Zappar ロゴ

Zappar社はARアプリ、ARヘッドセット、ARプラットフォーム開発している会社。フィンランドに拠点を構えるRovio(ロビオ社)は2016年4月にZappar社と提携。スキャンシステムBirdCodes(バードコード)を埋め込んだAngry Birds Action!(アングリーバードアクション)アプリをリリースしています。ロビオ社は、世界的人気アプリのAngry Birds(アングリーバード)を展開しています。

コンシューマー向けとして世界的に有名なロビオ社とパートナーシップを締結したのは、Zappar社にとってとても魅力的なできごとだったと思います。

Snap

Snap ロゴ

1億人のユーザーが毎日「Snapchat(スナップチャット)」を利用し、中でもジオフィルター機能が多くの支持を得ているSnap。ユーザーは、友人に写真を公開する時に、ブランドのロゴを使用し飾ることができることが特徴です。SnapのARコマーシャルはモバイルアプリにおいて大きな収益をもたらします。

またSnap社は2016年12月25日(米国時間)に、3000万から4000万ドルの取引で、イスラエルを拠点とするARスタートアップ企業Cimagine Media(シマジンメディア社)を買収したと米ニュースメディアVentureBeat(ベンチャービート)他2社が報道しています。

Cimagine Media社を買収することで、AR事業を本格的に取り込もうとしている背景がうかがえます。

3. エンタープライズ分野

主にARプラットフォームを提供している企業が見受けられました。小売業者やブランドは必要不可欠なARプラットフォームを活用して顧客をトリコにし、将来の需要を先取りするでしょう。

Augment

Augment ロゴ

Augment(アーグメント社)のデータベースは、AR Eコマースプラットフォームを使用し、会社のキッチン用品からオフィス家具といった製品の選択を、より簡単でシンプルにします。アプリはもちろんGoogle PlayやApp Storeからダウンロードが可能。モバイルとウェブサイト両方で提供しています。ARやバーチャルオブジェクトを用いて、ネットショップでの利用者が購入前に商品を試すことができます。今後小売業界にとって必須アプリとなることは間違いないです。

SCOPE AR

SCOPE AR ロゴ

Scope AR(スコープエーアール社)はAR搭載プラットフォームを提供する企業。2011年にはプロジェクトでボーイング社と協力し共同でプラットフォームを開発。活用する企業は、製造業、鉱業、教育、エネルギー、自動車、およびその他の業界です。

ScopeAR社はスーサベンチャー社やプレセンスキャピタルファンド社、ニュースタックベンチャー社から200万ドル(約2億円)の資金を調達しています。

4. 医療分野

3D Medical ロゴ

3D4Medical」はアイルランドに拠点を置くソフトウェア企業。解剖学を体験しているかのようなトレーニングができる医療ARアプリのリリースに向けて進んでいます。Project Esperはアプリの名前でもありプロジェクト名。3D4Medicalの医療トレーニングは医療分野に革命を起こします。

5. 教育分野

DAQRI ロゴ

スマートヘルメット、スマートメガネを展開するDAQRI(ダクリ社)に続いて、Lifeliqe(ライフリーク)、EvoBooks(エボブック)の名前が並べられています。DAQRIは産業用スマートヘルメットで名をはせていますが、コーディングなしで実装できる「DAQRI 4D Studio」エディタを活用して教育分野にも力を入れています。

DAQRI所属のBrad Waid(ブラッドワイド氏)は2016年9月25日に、学習の冒険を作り出す魅力的で素晴らしい経験をさせることを目的とし、活動している教育機関であるAugThat(オーグザ)の公式役員に採用されました。

米カリフォルニア州ロサンゼルスに構えるDAQRI社が展開中のスマートヘルメットは、安全性と機能性、能率的でデザイン性が高く市場で唯一の製品。新しい解決策を可能にする強力なAR開発ツールを提供します。

6. SDK分野

AR業界のSDK(開発キット)分野では、ARアプリ開発者にとって必要不可欠なツール。数々の企業と提携しているBlippar社やAR技術搭載のプラットフォーム開発会社Vuforia社、画像認識技術を提供する、Kudan社が見られました。

Blippar

Blippar ロゴ

Blippar(ブリッパー社)はAR技術を活用しているスタートアップ企業。モバイルアプリにリアルタイムの顔認識技術を追加して、ユーザーが利用できる「Augmented Reality Face Profiles(AR顔プロフィール)」を作成しました。

他にも、クリスマスの買い物客に高級なオファーと夢中になれるショッピング体験を提供したり、自動車メーカー広告代理店と提携。画像認識技術を活用しスマートフォンのカメラで雑誌をスキャンし、ARでポルシェ自動車をスマートフォンの画面上に3D表示しました。

PTC

Vuforia ロゴ

Vuforia(ビューフォリア)を運営しているPTC(ピーティーシー社)は、AR対応プラットフォームの「Vuforia 6」の最新バージョンを発表。今や世界屈指のARライブラリを提供する企業であり、25万人以上の製作者を魅了して、その過程で最大のARエコシステムを作成しています。

2017年5月1日(米国時間)の発表では、AR開発環境で最も多く使用されているソフトウェアのVuforiaプラットフォームが、Google Tango対応スマホをサポートするVuforia Smart Terrain(ビューフォリアスマートテレーン)を提供すると同社のリリースサイトにて発表しました。

kudan

Kudanロゴ

Kudan(クダン社)はVR/AR、IoT、ロボット工学、人工知能アプリケーションのための三次元認識や画像認識技術を提供する世界的なコンピュータビジョン技術企業です。

2016年10月に日本の博報堂グループの博報堂プロダクツとパートナーシップを締結。個人と100万ポンド(約1億4000千万円以下)の年間売上高をもつ企業は、完全無料のライセンスでエンジンを提供しています。商用非商用のどちらでも利用が可能です。

7. HMD(ヘッドマウントディスプレイ)分野

HMDはウェアラブルコンピュータの一つで、頭部に装着するディスプレイ装置のこと。ここではヘッドセット、ヘルメット、メガネ型デバイスのそれぞれの分野があります。

HMD分野の企業では、よりよい商品を届けようと販売延期はよくあることだそうです。

Meta

Meta ロゴ

ARヘッドセット開発中のMeta(メタ社)は、2016年9月に「Meta 2」の出荷を延期しています。

2016年内に出荷開始しないと米VRメディアが報じましたが2016年12月21日に、ARヘッドセットMeta 2開発者向けキットが出荷したと同社のTwitterにて報じました。

castAR

castAR ロゴ

castAR(キャストエーアール社)はメガネ型ARスマートグラスを開発中の企業。2016年8月18日にCEO兼COOとしてダレル・ロドリゲススティーブ・パーキスの就任を発表しました。

同年9月15日にユタ州の州都ソフトレイクシティで新しいスタジオを設立し、ディズニーインフィニティゲームを制作した従業員を雇用。さらに10月20日、回帰反射型と呼ばれる反射シートの上に仮想の画像を表示する、シースルーの眼鏡を2017年のローンチを約束しています。

EPSON

エプソン ロゴ

2016年11月30日にAR対応スマートグラスEPSON MOVERIO(モベリオ)「BT-300」を販売したエプソン販売株式会社。「BT-300」は、コントローラー兼用の本体がセットとなったスマートデバイスです。独自開発の有機ELディスプレイを採用しました。軽量化、高輝度、高コンストラスト、高解像度、高画質化まで実現した「表示枠を意識させない映像表現」が特徴です。

また、「BT-300」はドローン製造企業のDJI社製のドローンで撮影されている映像を、本製品のレンズ部を介して表示できることが特徴です。さらに国土交通省の許可なしに、200g以上のDJIドローン操縦におけるFPV映像(「First Person View」の略で、一人称視点という意味)を楽しむことができます。

uSens ロゴ

ARと仮想現実(VR)のためのハンドトラッキングとヘッドトラッキング技術のパイオニアuSens Inc.(ユーセンズ)は2017年1月4日(米国時間)に、同社の26DoFハンドトラッキング技術「Fingo(フィンゴ)」が、EPSON MOVERIO BT-300 Developer Editionと互換性があることを発表しています。

Atheer

Atheer ロゴ

Atheer社はコミュニケーションツールとしての優れていると認められたスマートグラス「Atheer Air GLASSES」を開発。AiRには、Augmented interactive Reality(拡張されたインタラクティブリアリティ)の意味が込められています。

医療の現場における健康管理や建設現場では、実際に手元にカルテや図面がなくてもスマートグラスのディスプレイで重畳表示が可能。医者の業務の手間をなくし、効率化を図ります。

Atheer CEOのAlberto Torres(アルバート・トーレス氏)がWorldwide Businessのインタビューで自社製品の長所や、ARの成長、ターゲット市場、目標について話していました。AR市場はまだまだ初期ですが、これからの伸び盛りに注目していきたいと、コメントしています。

Recon

Recon ロゴ

intel社が買収した、カナダのウェアラブルコンピューターRecon Instruments(リコンインストロメント社)。同社が開発した「Recon Jet」(リコンジェット)はスポーツ分野に向けたスポーツ用スマートグラスです。競走関連(ロードバイクやジョギングやマラソン)向けに特化していて、フィットネス愛好家だけでなくプロアスリートのためのデバイスでもあります。

Vuzix

vuzix ロゴ

株式会社美貴本はスマートグラスのVuzix「M100」や「Recon Jet」、「Sony SmartEyeglass Developer Edition SED-E1」を代理店として販売しています。

米国の大手サプライヤーVuzix(ビュージックス社)は2016年11月11日に、3つの新しいウェアラブル製品モデルを公開。それは、レンズの厚みがわずか1.4mmで、シースルー光導波路技術を活用したスマートグラス3000シリーズです。

  1. Vuzix AR3000
  2. Vuzix Blade 3000 Smart Sunglasses
  3. Vuzix Blade 3000 Binocular Waveguide Video Viewer

新しいVuzix「M300」は、「M100」以前の製品を2年以上に渡って生産している間に得られた顧客からのフィードバックに対応するために設計された次世代のスマートグラスです。Vuzix「M300」の高度な人間工学に基づいた設計と機能により、企業ユーザーはより多くの状況と複雑なユースケースを達成することができます。

まとめ

以上、ARついて展開・開発する分野を7つ抜粋してまとめました。

ARにおいては、2020年までに900億ドル(約9兆円)の市場になることが、テクノロジーアドバイザーのデジ・キャピタルによって予想されています。なお、そのうち大半のシェア率を誇るのはARスマートグラスです。

2017年1月30日現在で、開発者や消費者にニーズがあるものはモバイルを使ったARゲームやARアプリが主流だと思います。それはスマートフォンを誰しもが持っていて、かつ利用しやすいからです。かの「ポケモンGO」がそうでした。

スマートフォンを持っていない人が笑われる時代になりつつありますが、数年後はメガネ型のデバイスを装着していない人が笑われる時代がくると思います。

その需要を見越して、デバイス・アプリを開発する企業や個人をGET ARは全力で応援したいです。

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