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視覚障害者を音で支援、サポートするスマホARアプリ「セダリオン」

2017/05/04
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視覚障碍を持つ人をサポートするGoogle Tango活用アプリCydalionを使用している人の写真

The Washington Times(ザ・ワシントンタイムス)は2016年12月4日(米国時間)に、周囲の情報を探知し、音で障害物の位置と距離を知らせてくれるアプリ「Cydalion(以下、セダリオン)」を報道。本アプリはGoogle Tango(グーグルタンゴ)対応スマホ「Phab 2 Pro(ファブツープロ)」のカメラ機能を使用しています。

開発企業は、米国ワシントン州に構える、ARを活用したソリューションを提供するFloat(フロート社)。同社は視覚障害を持つ人々にARを体験して支援、サポートするアプリ「セダリオン」を展開しています。

アプリはGoogle Playでダウンロードが可能ですが、本アプリはTango搭載のスマホ「Phab 2 Pro」のみ利用ができます。

「セダリオン」の名前の由来

セダリオン ロゴ

ARアプリ「セダリオン」の名前の成り立ちは、ギリシャ神話において一時的に盲目となったオーリーオーンの肩に乗り、その視力を回復するために朝日に向かって彼を導いた人物Cedalion(ケーダリオーン)にちなんで命名されたそうです。

視覚障害者を音で支援するスマホアプリ「セダリオン」

AR機能搭載アプリ「セダリオン」は、スマホ(Phab 2 Pro)の移動に伴い障害物を検出して、障害物の方向や距離によって異なる音を発して視覚障害者に警告します。

多数のセンサーが搭載しているTango対応スマホを採用

Phab 2 Proスマートフォン

AR対応アプリの「セダリオン」は視覚障害者に実用的に使用してもらうため、グーグル社とレノボ社が共同で設計したGoogle Tango対応スマホ「Phab 2 Pro」を採用しました。

Tangoの特性を持つ世界初のスマホ「Phab 2 Pro」は、2016年12月に販売開始。本スマホの機能は、カメラを通して見たオブジェクトに異なる物体や情報、キャラクターなどをスマホ画面上に重ねて表示できるようになります。魚眼レンズカメラや深度カメラ、赤外線センサーなどを搭載するTango端末は両社が開発したハードウェアです。

視覚障害者(スマホ)の移動に伴い障害物を検出

Tangoスマホはリアルタイムでオブジェクト間の距離を検出する機能があります。「セダリオン」はデバイスの機能を用いて視覚障害者が所持しているスマホの移動に伴い、障害物を検出。身近な環境を感知して対応するため、Tango対応スマホのセンサーとカメラで、周囲の画像を位置データとして収集しています。

方向や距離によって異なる音を発してユーザーに警告

本プログラムはTangoに搭載されているセンサーで現実空間にある障害物の配置を分析し、障害物の位置との距離に対応する一連の音を放出。音の種類は様々で、左右や中央にある障害物には異なる音を発したり、頭の高さの物体には高ピッチな音を出したり、足元の妨害物には低音でアラートしたりします。

スマホから障害物の距離に応じて、周波数が変化する仕組みです。アプリの音はカスタマイズ可能で、画面の表示は色覚障害の人のためのオプションと警告領域を表示します。

音声より音の方が反応が良い

Chad Udell

アプリのリードデザイナーMatt Forcum氏(フォーカム氏)は、「プログラム初期の開発サイクルでは、音声フィードバックが含まれていましたが、口頭での警告はステレオサウンドと比べると理解しづらくユーザーの反応が遅いです」と、コメント。

フロート社の代表取締役社長Chad Udell氏(以下、ユーデル氏)は、「ユーザーに音声で伝えるより、音で伝達したほうが良いと気付いた時は本当に驚きました。音で伝送するツールは100年で変化していません」と、コメント。

他ARアプリとは活用方法が違う

ユーデル氏は、「『セダリオン』はARを活用している他アプリとはまったく異なるもの。多くの開発者がゲームやエンターテイメントを製作して販売するためにARを使用していますが、フロート社は日々の生活の中で視覚的に情報を得られない人々へ役立てるためにARを使っています」と、コメントしています。

「ポケモンGO」がほとんどユビキタスなスマホ技術を娯楽のために使う一方で、AR体験が可能な「セダリオン」はリアルタイムで現実世界の障害物を検出し、音で視覚障害者を支援、サポートします。

必須アイテム

スマホとベストとヘッドセット

  1. Google Tango対応スマホ「Phab 2 Pro」
  2. スマホを挿入する安全・反射ベストもしくは、ネックストラップ式で首からかけられるスマホケース
  3. 骨伝導ヘッドフォン

Tangoスマホを地面と垂直に保持するためのベストやネックストラップ式のスマホケースは必須アイテムです。さらに、周囲の環境で起きている音を遮断せず、「セダリオン」から発している音を外へ漏れなくする骨伝導ヘッドフォンも必要でしょう。

ARアプリをテストするために、イリノイ州立大学と提携

イリノイ州立大学ロゴと英文字

フロート社はアプリをテストしてフィードバックを得るために、Illinois State University(イリノイ州立大学)のCollege of Education(教育カレッジ)、Student Access and Accommodation Services(学生のアクセスや宿泊サービス)、ならびに学生団体Braille Birds(ブライユ・バード)と提携。

開発作業の多くは2016年9月中旬には行われ、「セダリオン」の実証試験をするためにAlumni Center(同窓センター)に段ボール箱で障害物コースを作りました。

技術の進歩と成長の余地がある

ユーデル氏は、「いつかハードウェアをウェアラブルにフィットさせる日が来ます。ハードウェアとアプリの両方が、技術の進歩と成長の余地があります」と、コメント。

視覚障害者が友人や知り合いに遭遇した時に、通知できるような顔認識システムを組み込むことが可能なソフトウェアを、メガネや帽子などのウェアラブルに搭載できます。

さらに同氏は、「このような環境のサインを認識するアプリのための、長期的な機会がある」と、コメント。「セダリオン」はその名前の古代の意味にかかわらず、今日、視覚障害を持った人々のために最も一般に利用できるツールを超えて前進しています。

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