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ARとVRを教室に導入?子供の脳の成長と公平な教育に関する2つの疑問

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昨夜、私たちは教育工学における女性のリーダーシップをサポートする技術者、教育者およびビジネスエキスパートの全国的ネットワークであるEdTecWomen主催の公開討論会に出席する機会に恵まれた。この討論会では、教室でARおよびVRベースのカリキュラムが実際に生徒たちに有益かどうかを話し合った。この討論会の構成メンバーを考慮しても、子供たちにとってVRおよびARが毎日の授業を聞き入るほどおもしろく活発なやりとりが交わされるものにする大きな可能性を持つという点は全員が同意した。しかし、討論会でのディスカッションから、さらなるディスカッションが必要だと思われる2つの疑問が持ち上がった。

ARとVRは私たちの脳、特に子供たちの成長途中の脳に悪影響はないのか

ARとVRは私たちの脳、特に子供たちの成長途中の脳に悪影響はないのか

2014年にUCLAが実施した研究によると、脳は仮想世界に接している間大きな変化を経験することが分かった。UCLAの神経物理学者、Mayank Mehta(以下メータ氏)およびその研究者チームは、脳が仮想世界に没入すると脳は活動を停止することを確認した。より具体的には、私たちの周囲の心象地図(メンタルマップ)を作る脳の一部である海馬内のニューロンは、目で仮想環境を見ているにもかかわらず活動を停止するのである。現実の世界では、海馬のニューロンは新しい空間を探検するとき活発になる。特に、嗅覚および聴覚は脳がその空間と周囲の距離を掴むのに役立つ。

この研究がラットを使って実行されている間、メータ氏は「この研究に使用した仮想世界は人間が使用している仮想現実環境に非常に似ています。そしてラットの脳のニューロンをヒトの脳のニューロンと比較しても区別するのは非常に難しいでしょう」と述べている。このメータ氏の所見は、仮想世界が脳、特に20代半ばから後半もしくは30代前半になるまで十分に発達しない子供の脳をどのように形成するかについて私たちに考え方を改めさせるものだ。しかし、脳に対するVRとARの影響についてはさらなる研究が待たれるところだ。

たとえば、研究はすでに1992年に行われていた。そしてペンシルバニア州立大学で研究者たちが最近行った調査、Meta and Accenture によれば、VR / AR / MRのヘッドセットは複雑な課題の学習と実行に役立つということが分かった。これらの技術と若年の発育との関係は未だ真偽を問われる課題であるようだ。したがって、さらに詳しい研究結果が明らかになるまでこの問いに答えるのは難しい。

ARとVRは質が高く、公平な教育の提供に役立つのか

ARとVRは質が高く、公平な教育の提供に役立つのか

Google Cardboardの登場が一般消費者にとってVRを手に入れやすいものにしたことは間違いないことであり、NearpodやAlchemy VRのような企業はVRカリキュラムと教師向けのコンテンツの提供に着手した。教室にVRおよびARを提供することに賛同した者は、このような経験が生徒にもたらすであろう利益について繰り返し喧伝している(授業への取り組みや学習した教材の理解度が増したなど)。

しかし、ほとんどのVR、ARヘッドセットはまだ桁違いに費用のかかるもので、米国のような国で標準化された試験に対してますます重要視されている。学校は最新の学習規格と正確に一致しないVRおよびARコンテンツの購入を正当化しにくいと判断するだろう。そして、学校が資金不足の地域では、生徒用の筆記用具などの基礎的な勉強道具が十分でない場合は特に、VR、ARヘッドセットは贅沢品に見えるかもしれない。

幸運なことに、技術の進歩が早いためハードウェアの製造費はすぐに下がり、ヘッドセットはどの消費者にも手の届く(かつ望ましい)ものになるだろう。しかし、VRとARのコンテンツが特定の授業および学習水準に沿うことができるかどうかという疑問はまだ残っている。

VRおよびARの技術が成熟し、疑問は間違いなく再考されるだろう。ヘッドセットが誰にでも手頃になり、VRとARの脳への影響に関する縦断的研究が行われれば、なおのことだ。格言にもあるように、VRとARが実際に教室で有益な常備教材になるかどうかは時のみぞ知る。

AR and VR in the Classroom: A Good Thing, Right?

AR技術・テクノロジー
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