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Appleの新作iPhone7と7Plus、次世代ARプラットフォームの基盤に

2017/03/07
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iPhone7

2016年9月7日の新製品発表会で、Apple社(以下アップル)はiPhoneのラインナップに、iPhone 7とiPhone 7 Plus(以下7 Plus)という最新のアップグレードを発表した。電話にVRのHMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)を実装するというアップルは、特許出願と採用によって加速された周囲の過剰宣伝と期待をよそに、Microsoft社HoloLensやSamsung社Gear VRといった競合他社を発表しなかった。

それよりもむしろ、コンピュータビジョンや機械学習、ワイヤレスオーディオを実現するアップルの光技術におけるマイクロイノベーションが、ARプラットフォームを構築するための適切なハードウェアを備えたデバイスへとiPhone 7を高めることに集中している。次世代のハードウェアとしての強力なARプラットフォームのための基盤は、すべて揃っている。

2015年モデルよりもCPUは高速になり消費電力を削減

新たなA10 Fusion 64-bit 4core CPUは、2015年モデルよりも40%高速、6core CPUも50%高速。すべて消費電力を33%削減した。このスペックは、モバイル処理とバッテリー最適化の最先端を行く。ポケモンGOのようなカメラ集約型のARアプリに給電するためには極めて大切だ。

より集中的なプロセスのクラウド・コンピューティングとともに、画像処理を担当する強力なGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)を有することは、コンピュータビジョンのためデバイス内で機械学習を運用するローカルコンピュータにとって重要だ。

iPhone 7はデュアルカメラを搭載

アップルは過去数年にわたり、カメラ技術のためにLinx社とFaceshift社を買収したが、この買収の結果は必ずしも一目では分からない。それでもiPhone 7には、12MPカメラが搭載されている。被写体をより大きくマクロ撮影できる写真対物レンズ口径 ƒ/1.8。より良い低光量写真を撮影できる光学手ブレ補正機構。そしてポケモンGOプレイヤーには嬉しい、60%高速で30%エネルギー効率化したイメージセンサーを完備。

(3Dモデル表示サービスSketchfabのCEO、alban氏による、iPhoneデュアルカメラ搭載を喜ぶ声)

7 Plusには、スマートフォンLG G5やHuawei社のP9、Honor8のような 、さらに注目のデュアルレンズカメラシステムがある。ソフトウェア技術革新の統合で、これまでにないほど写真をズームできる。

新たなカメラシステムの素晴らしい点は、ソフトウェアだ。iPhone 7と7 Plusのどちらも、新しい画像処理プロセッサを備えている。機械学習とコンピュータビジョンを駆使して写真の主題を分析、自動調整を行い、ベストショットを取得するための機能である。写真の中にいる人や、顔の認識までできる。

アップルは7 Plusのデュアルレンズカメラで、前景にある対象を認めるために主題と環境をスキャンする、深度マップ機能の実装に取り組んでいる。そして、被写体の背景をぼかしたりできる便利なエフェクトも。この機能は9月16日発売ではまだ使用できないが、2016年後半のiOS 10への無償アップデート時には実装可能になりそうだ。

ワイヤレスヘッドホンのAirPods

iPhone7新型ワイヤレスイヤホン

3.5mmオーディオ補助ジャック落ち込みについての数ヵ月に及ぶ議論では、アップルは独自の電源コネクタLightningとワイヤレスヘッドホンに、接続された標準的なオーディオにシフトしている。これにはいくつかの利点と機会が与えられる。SiriなどのAIと相互作用があることでハイクオリティな音楽を聴けること。そして頭の動きによって視点取得や指示が可能なヘッドトラッキングが、ヘッドホンに標準装備される未来の可能性さえ開く。

ヘッドホンをLightningに通じて接続しておくだけで、アンプとデジタル・アナログ・コンバータがそれぞれ独立している場合にのみ可能になる、力強い音楽を配信する強力なポートを利用できる。

ワイヤレスの話題として、音声入力および出力の機上処理のためのカスタム・ワイヤレスW1チップを搭載した新製品AirPodsイヤホンを発表した。推定では、アップルはBluetoothヘッドホンの音質のクオリティや使いやすさが理想的ではないことから、データ転送プロトコルのためにBluetoothのような独自のテクノロジーを開発している。

AirPodsに追加された驚くべき点は、内蔵された加速度計だ。アップルはその機能を、側面をダブルタップすることでSiriにアクセスする方法として宣伝しているが、ゆくゆくはAR技術の特長であるヘッドトラッキングが可能になり、3D音響や音楽を聴けるまでに拡大されるのを目の当たりにするかもしれない。

ARの活用で、AR開発志願者の開拓

アップルは、これらの機能は主に写真撮影ツールのためだと宣伝することで、没入型テクノロジーの世界へと投じることに未だ保守的だ。しかし、カメラAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)により深くアクセスすることで、AR開発志願者がよりクリエイティブになるための絶好の機会を開拓する可能性がある。

(ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitz所属のBenedict Evans氏による、7 PlusにおけるSnapchatの深度マップ機能に期待する声)

2016年10月5日追記
Apple CEO ティム・クック氏はARは、三度の飯と同じように、人の一部となり、誰にとっても重要なものになると話している。

Apple CEO ティム・クック氏「ARは三度の飯のような存在になる」

SnapchatやGoogle Tangoの技術

これらの小さなステップは、すでに我々が使っているアプリやプラットフォームに影響を及ぼすかもしれない。iOSアプリストアで2つの大手ARプラットフォームがある。カメラでかざすことで顔にペイントできるアプリSnapchatのLensesだ。

SnapchatのLensesでは、あなたの部屋や友達の顔を認識できる。これは技術が有する能力の中で、シンプルで簡単なユースケースだ。もう一つの能力は、あなたの周囲の環境をスキャンして、部屋の3D写真測量モデルを作成するもの。モデルをIKEAなどのサービスに送ることで、改築や模様替えのイメージが明確に。もしこういった機能のいずれかがiPhoneで実現できれば、アップルはずっと効率的でバッテリーを重視しているという意味で、Google TangoやIntel社のRealSenseと同様のフィールドで競合できる。

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2016年10月5日追記 関連記事
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プラットフォームの重要性と、さらなる発表に注目

9月7日の発表で、すべてのアップルのデバイスが同じ「現実」を共有する世界の基盤を築いた。深度マップ、コンピュータビジョン、そして7 Plusの機械学習能力は、アップルが目指す次世代のコンピューティング・プラットフォームにとって信じられないほど重要だ。iPhone10周年記念である2017年にさらに信じられないような発表があったとしても、驚かないで欲しい。

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まとめ

熱心なユーザーも多いアップルのiPhoneがAR技術の活用に乗り出したことで、今後ますますARの知名度が高まっていくだろう。スマートフォンがより多機能で高性能になっていく中で、想像したこともない未来が開かれる可能性は高い。

転載引用元
iPhone 7 Plus Sets The Stage For Apple’s Future AR Plans

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2016年11月21日追記
多国籍企業、Appleは「iPhone」でにワイヤレスでつながり、着用者の視界にイメージやその他の情報を重畳表示して映し出すARスマートグラスの製品開発の可能性を視野に入れている。

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同社は2016年11月17日、ARの技術をiPhoneのカメラアプリに導入すると、米メディアが報じている。

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