GET AR

世界を変えるARニュースメディア

Tango対応スマホを活用したARシューティングデモ「snipAR」モンスターを倒してコインを取れ!

 8820

スマホを横に

2017年5月8日と9日に東京国際フォーラムで、ユニティ・テクノロジー・ジャパン主催のイベント「Unite 2017 Tokyo」が開催。企業が出展しているブースでは人が多く、会場は賑やかになっていました。

ブースは、第一ブースと第二ブースに分けられて展示がされており、第二ブースエリアの中では、株式会社ワン・トゥー・テン・ドライブが自社開発プロトタイプの「snipAR(スナイパー)」が展示。本ゲームコンテンツの体験レポートと担当プロデューサーのインタビューをご紹介いたします。

ARシューティングデモ「snipAR」

「snipAR」は、スマホ「Lenovo Phab 2 Pro」に搭載されているTango(タンゴ)テクノロジーを活用して作ったプロトタイプで、スマホ上のARゲームコンテンツと、銃型の筐体を組み合わせた、新感覚のシューティングゲームデバイスです。銃型筐体は夏に海や川などのアウトドアで過ごす時に使う、ウォーターガンで遊ぶような形。画面をタップしてゲームがスタートすると、スマホ画面上にARで可愛らしいモンスターが表示されます。

銃の銃の上にスマホ

プレイ時間は30秒。画面に表示されている敵に向けて、銃に搭載されているトリガー(写真:  右手の人差し指)を引くことでレーザー光線を撃つことができます。一匹モンスターを倒すと仮想コインが出現。実際にコインのところまで歩いて移動し、取得するとチャリーンと効果音がスマホから再生。画面右下部にスコアが1と、反映されるようになっています。

Tangoテクノロジーによる空間認識とプレイヤーの座標認識の機能を活用しているところが特徴です。Tangoの機能を十分に活用した作品ですね。

さらに、特定の敵を撃破すると仮想ミサイルがスマホ端末の画面上に表示。移動してミサイルのアイコンを取り、散弾銃(ポンプ・スライド式)のように左手を使って手動で装弾を繰り出すと、ミサイルが発射。画面全体のモンスターを撃破できます。

プレイした感想

銃の模型とその上にスマホ

30秒間で敵を倒しながら移動し、コインを獲得するという動作はシンプルで面白いです。ただ、初めてのプレイではあまりスコアが伸びず4スコアと残念な結果でした。最高得点はいくつかと説明員に聞いてみると、「16点でした。敵を倒してコインを取りながらモンスターをレーザ ーで撃つという動作をすると、スコアが伸びます」と、コメント。

負けず嫌いの筆者は2回目をプレイしますが、スコアは伸びず。難易度は決して高くないように見えますが、コインを獲得するために移動しながらレーザーを撃つと、どうしても敵に当たりづらかったのが印象深いです。ですが、プロトタイプでありながらゲームの趣旨やプレイスタイルが簡単でわかり易く設計されていました。エフェクトや機能を追加することで、さらなる進化も望める体験コンテンツであると感じました。

銃は両手で持てば重量感は感じないので、子供から高齢者まで楽しめることができます。

子供用のARシューティングも

ゲーム機

また同社の説明員から、「Tango端末を挿入した銃型筐体は、子供がプレイする場合は重量もあって持ち続けるのが大変です。なので、携帯型ゲーム機っぽいハードウェアも作ってみました。右のボタンを押すとレーザーが出る仕様で、それ以外は銃型と同じです。しっかり持てるので安定感もあり、子供でも容易にプレイしやすいです」と、別デバイスの紹介がありました。

「さらにこの形状を活かして、シューティングではないゲームも検討中です。たとえばキャラクターを探してキャッチするゲームなど」とのこと。

「snipAR」について色々聞いてみた

質問に答えていただいたのは、ワン・トゥー・テン・ドライブの永井潤一プロデューサーです。

永井氏 ワン・トゥー・テン・ドライブは「Brand Prototyping Company」を理念とし、商品・サービスの企画設計からプロトタイプの開発、商品化までを手掛けている会社です。IoTやAI、さらにはVR、ARなどの新しいテクノロジーを積極的に取り入れる体制で開発にあたっています。

──なるほど!ワン・トゥー・テン・ドライブ社は、企画設計からプロトタイプ開発までをワンストップで手掛けているのですね。他にどんなプロトタイプを開発していますか?

永井氏 手紙を書き綴る時に、心の感情をデジタル上に視覚化し、自身の内面を映し出すことができる「感情を伝える手紙」のプロトタイプをワコムさんと共同で開発しています。

──「snipAR」の開発に至った経緯を教えてください。

永井氏 弊社では、企業からの受託開発に加えて、皆で時間を作っては自社プロトタイプを開発する「1→10drive試作室」というプロジェクトを進めています。Webサイトも立ち上げました。新しい技術や端末が次々と出てくる昨今ですので、それらを使って、面白い体験コンテンツを作れないかなと常日頃考えているのですが、そのプロトタイプのひとつが「snipAR」になります。Tangoテクノロジーを使って何ができるかと考慮した結果、ソフトウェアだけでなくハードウェアも一緒に作り上げることで、タブレット上で遊ぶ形式ではない、手に取って直感的に遊べるARシューティングゲームデバイスが生まれたのです。ちなみにプロトタイプ名は、狙撃手を表わす「sniper(スナイパー)」に「AR」の意味も盛り込んで、「snipAR」にしています。

銃の手

──Tangoスマホを取り付けている材料と銃の素材は何でできていますか?

永井氏 Tango搭載スマホをカバーする部分は、3DプリンターでABS樹脂を出力して作成しています。銃部分はMDF(木材の細片から作るパーティクルボード)を重ね合わせて、レーザーカッターでカットして、ピストル形状にしました。弊社には、プロダクトデザイナーも所属していて、完全ハンドメイドで作成しました。

──ソフトウェアはどなたが?

永井氏 弊社のエンジニアが開発しました。

──3Dプリンターで製作時は、どこかの企業へカットの依頼をしましたか?

永井氏 3Dプリンターが会社に何台かありますので、社内でデザイン設計したうえで、出力と組み立てまですべてしています。

──すごい!本当に全て自社で開発しているんですね!

永井氏 そうですね。それが強みとなっています。

スマホと銃

──Tangoスマホのサイズが大きいせいか、ガンの部分も少し大きめにできていますね。

永井氏 はい、全体のバランスを考えて、無理のないところで銃のサイズも調整しました。スマホが大きくて銃が小さいと見栄えがおかしいので。そのあたりは考えています。

──ちなみに、社内での人件費は抜かして、銃とデバイス装着する部分はいくらくらいでできましたか?

永井氏 プロトタイプなので、ほぼ内製で、コンテンツから電子パーツ部分から銃型筐体まですべて開発しました。それを除くとスマホ端末と電子基板、筐体の材料代くらいでしょうか。逆に言えば特別な機材を用意しなくても企画力と技術力があれば、面白いものは作れるということだと思います。

──Tangoスマホの電池はどれくらい持ちますか?

永井氏 おおよそ1.5~2時間くらいは持ちます。充電時間は2時間くらいで満タンになります。

──WiFiは使ってないですよね。

永井氏 そうですね。使ってないです。最初はBlueToothで繋げていましたが、今は有線で接続しています。というのは、ペアリングができない時があったので。安定性を考えて有線に変更しました。

──そうですか。今後どのようなところへ展開する予定ですか?

永井氏 「snipAR」はプロトタイプなので、例えば、どこかの企業さんから、商品化あるいはイベント使用を目的として声をかけてもらったら、デザインや機能をカスタマイズしてご提供したいと思っています。もちろん将来的に自社で「snipAR」を販売するということもあるかも知れませんが、どちらかというと「snipAR」というプロトタイプを通じてワン・トゥー・テン・ドライブが、企画設計からソフトウェア~ハードウェアまでの開発がワンストップでできる会社であると、思っていただけるのであれば嬉しいです。

──他のコンテンツも揃えていますしね。

永井氏 そうですね。「snipAR」も勿論ですが、「1→10drive試作室」のプロジェクトでは年間20個程度の自社開発プロトタイプを作ることを目標としており、Webサイトでも随時紹介していく予定です。これからも面白いものをどんどん作っていきますのでご期待ください。

──最後に、弊サイトへの訪問者に向けて、何かお伝えしたいことはありますか?

永井氏 面白いコンテンツ作りを1から10までやっている会社なので、企業さんのお手伝いをできたら嬉しいです。それと、ワン・トゥー・テン・ドライブはUnity開発者やハードウェア系のエンジニアなどの技術者を随時募集しています。ぜひ一緒にモノづくりをしましょう!

──ありがとうございました!

関連サイト
株式会社ワン・トゥー・テン・ドライブ
1→10drive試作室
Phab 2 Pro
Tango
Unite 2017 Tokyo

AR技術・テクノロジー