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EPSON MOVERIO「BT-300」のダークシェードを体験レポート

2017/03/31
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EPSON MOVERIO BT-300 ダークシェード付

スマートグラス EPSON MOVERIO「BT-300」を利用中のユーザーよりリクエストがあった、明るい環境でもより美しい映像が見られる、遮光率の高いダークシェードの同梱が2017年3月末に開始されます。

その同梱に先駆けて本製品を「BT-300」に装着。昼夜でどのように見えるかを体験し、見え方、外見、従来のシェードとの遮光性を比較したレポートをご紹介します。

ダークシェードの開発理由(推測)

「光を遮らない」ダークシェードをなぜ開発したか、4つの開発理由が推測されます。

  1. 晴天下でハーフシェードを「BT-300」に取りつけて、ドローンを操縦して空を見上げると、太陽の逆光でスマートグラスのハーフミラー部に投射されている、アイコンや各種数値データが閲覧できないため。
    環境状況にもよりますが、ドローン視点の映像が見えないときがあるそうです。
  2. 現場作業員が掛けているスマートグラス「BT-300」に搭載されているカメラの映像を、専門技術者のPC上にリアルタイムでシェアする遠隔支援。明るい環境下に現場作業員がつけているデバイスのレンズにおいて、熟練技術者から共有したアイコンや文字などの指示が見えづらいため。
    専門技術者の指示がわからないと、作業効率の低下や従業員のモチベーションを失います。
  3. ガイドツールにおける字幕表示解説や、映像が見えにくいため。
  4. 映画やアニメが視聴しづらいため。
    電車やバス、新幹線、飛行機などの乗り物で移動するときに、従来のシェードを使ってアニメやムービーを視聴することができますが、明るい場所だと光が遮るので、視聴しにくい傾向があります。

開発理由に関しては、エプソン販売会社からのコメント待ちです。後日、追記として掲載いたします。

ファースト・インプレッション

ピンク色のクリアな気泡材(プチプチ)の中に、青いビニールやクリアな素材で巻かれているダークシェードと、説明書が梱包されていました。

綺麗にラッピングされています。指紋一つありません。

EPSON MOVERIO BT-300 ダークシェード

ダークシェードの正面写真。見た目は真っ黒ですね。メガネの山(名称:ブリッジ、レンズとレンズの間)にある突起物は、「BT-300」の本体に装着する際に必要な部位です。

EPSON MOVERIO BT-300 ダークシェード

右から撮影した写真。

EPSON MOVERIO BT-300 ダークシェード

左から撮ったダークシェード。

見た目

EPSON MOVERIO BT-300 ダークシェード付き

遮断度の高いダークシェードを装備すると、見た目はメガネのレンズ幅が少し細長いサングラスのような印象になりました。本製品を装着している状態で端から見たとき、映像を映し出すハーフミラー部は完全に見えないことがわかります。

外見はまるで、映画「マトリックス」にでてくるエージェントを彷彿させるような、カッコいい装いになりました。目から破壊光線を発射できるという超特殊能力をもつ、「X-MEN」のサイクロップスにも見えます。近未来を想像させますね。

従来のシェードとダークシェードを比較

スマートグラス「BT-300」のディスプレイの輝度調整(明るさの設定)を、10分の5にして従来のシェードとダークシェードを比較しました。

なお、撮影したカメラは iPhone 5c。晴天下の中で、カメラを通して「BT-300」に映っている写真を撮ると、帯状の横縞が映るちらつき(フリッカーといわれる現象)が起こります。iPhoneに搭載されているHDR(ハイダイナミックレンジ合成の略:カメラの明度差を広く取って、肉眼での見た目に近い画像に合成する)機能を使えば、ちらつき現象は抑えられますが、背景が明るくなってしまいます。

HDRで補正した写真と、一般的に使用されるiPhoneの写真機能を利用した画像も、一緒に掲載いたします。

シェードの遮光性

ハーフシェードをカメラの前にもち、それを介してコピー機の上に乗ったコンビニのコーヒーカップと、その背景にスケジュール、薄茶色のパーテーションを撮影してみました。

以前のシェードでは、シェードを通してコンビニコーヒーの容器に記載されている文字、その後ろにあるスケジュールの日付や文字、ブラウン色のパーテーションは問題なく見えます。

これは、光を遮る仕様になっているためです。従来のシェードを付けても、スマートグラス装着者の視界がクリアになり、視野が保ちやすいようになっているエプソン社の心遣いだと思います。

一方、光を遮らないダークシェードを介した写真を見てみましょう。全くといって良いほど、本製品越しにはカップやスケジュール表の日付、パーテーションの色合いが見えないのがわかり、しっかりと遮蔽(しゃへい)されています。

雲の多い天候時の遮断度

2017年3月29日の午前中の天候は、太陽が雲に隠れていました。ハーフシェードで撮影を試みましたが、ディスプレイ上に表示されている映像がほぼ0に近かったので、ダークシェードのみの掲載になります。

本製品を取りつけた状態で「BT-300」既存アプリのギャラリーを起動し、以前撮った写真を表示。雲に隠れている日光に向かい、ダークシェードを挟んで撮影してみました。

左の写真はHDR補正なし、右は補正ありの写真。太陽光をダークシェードで遮断して、問題なく閲覧できます。左はフリッカー現象が起こっていますが、実際に「BT-300」を介して映像を見てみると、問題なく表示されています。

晴れた天気の時の遮蔽性

2017年3月29日の真昼の天気は快晴。太陽に向かって約45度の角度でスマートグラス、「BT-300」を保ちながら撮影をしてみました。

左の写真はHDR補正なし、右は補正ありの写真です。

ダークシェードを通して太陽の光を見てみると、目視し続けていても大丈夫なくらい保護できています。これならドローンを操縦した際に、まぶしさに負けずに遮蔽できて映像が見られ、 FPV(「First Person View」の略で、一人称視点という意味)が楽しめますね。

左は従来のシェード、右がシェードなしの写真。

かすかに映像が映っていますが、ほとんど人間の目には見えません。これでは外出時の動画視聴や、光が強いライトがある工場での遠隔支援の利用は不可能に近いです。

夕日においての遮光性

左はダークシェード装着時の写真、真ん中はハーフシェードで見た映像、右はシェードなしのものです。3つともHDR機能を使っていません。比べてみると左の本製品を取り付けた時の映像が、一番キレイに映っていますね。

左から順番に、夕日の光が明るくなっているのがわかります。

HDR機能を使って撮影してみました。左が従来のシェードを介した写真、右がシェードなしの写真です。

LEDライトに勝る!

本製品を装備しながら、LEDライトを下に「BT-300」との距離を30cmほどにして、レンズ部に写真を投射させた映像を確認してみました。スマートグラスを介して見ている背景は、アイボリー色の片引き戸タイプのドアです。

ダークシェードありのほうが鮮やかに見え、アニメや映画が視聴しやすくなりましたね。

また、LED昼白色電球を直視してみると、非常にクリアにアイコンや項目が画面上に表示されました。

これなら明るい環境下で現場作業員が掛けているレンズ前に、専門技術者からの指示がはっきりと表示できます。

実際に LEDライトや太陽光を見ながら作業することはないかもしれませんが、「これくらい明るい場所でも映像が見られる」ということをお伝えしたいです。

明るい時間帯での使用

ダークシェードのみの写真では、コーヒーカップに記載されている文字や背景などが、ほとんど見えませんでした。ですが、本製品を「BT-300」につけてメガネのように掛けてみたところ、視界全体が暗くなって周囲が見えにくくなりますが、比較写真ほどではありません。一般的に売られている、サングラスのような感覚です。

本製品装着状態で真昼の晴天下に、外を歩いてスーパーマーケットに行ってきました。歩行時間は成人男性を基準におおよそ10分。前方だけでなく、周りを見渡しがら歩きました。周囲が、「見えにくい」という印象はありません。問題なく、散策できます。

比較的明るい場所で装備しても、視野の確保ができます。どこかへ移動しながらでもくっきりと現実世界が見えますし、シェードを比べた写真ほど、視界は暗くなっていません。

さらに、本製品を「BT-300」に取り付けた状態で、自宅から東武東上線の大山駅まで、動画を見ながら自転車に乗って行ってきました。走行時間は10分程度。無事に到着できました。

日向を向きながらの動画視聴は、問題なくクリアに動画を通して実世界が見られます。ですが、日陰の方角を見ると、動画を介して現実世界は見えにくいので、注意が必要です。

動画やゲームをしながら、暗い場所での歩行や運転は、やめておいたほうがよいでしょう。

夜間での利用

ダークシェードと一緒に梱包されていた取扱説明書に「夜間やトンネルでの使用はやめてください。」と、注意書きしてあります。ですが、実験として暗所でどのくらい見えないかを、テストしてみました。※絶対に真似しないでください。

本製品をつけて「BT-300」を装備しながら、夜間に外出してどのように見えるかを試してみたところ、視界周りが不鮮明でほとんど見えませんでした。

街路灯を頼りにしながら歩いて、なんとか近辺のスーパーマーケットにたどり着きましたが、到着するまでが非常に怖かったです。目視できるのは、うっすらと光っている街灯くらいでした。目をグッと凝らさないと、人やモノ、背景が見えません。

これでは交差点での左右確認ができませんし、前方不注意で事故に直結する可能性があります。万が一、アクシデントが起きてからでは遅いので、夜間の使用は絶対にしないでください。

注意点

ダークシェードはスマートグラス EPSON MOVERIO「BT-300」専用の、遮光性の高いサングラスです。単独または、他の製品と組み合わせて使用しないことをオススメします。

また、本製品の使用前は必ず点検をしましょう。亀裂、破損、細かなスリ傷などがある場合、視界の妨げとなる可能性があるためです。

まとめ

ダークシェードを取付けることで、ドローン操縦においての機体目視や明るい所での遠隔支援、屋外における映像の視聴がより見えやすくなりましたね。

2017年3月末現在は遠隔支援が主な使用用途ですが、視覚障がい者をサポートするMOVERIOシリーズやアプリの開発、ダークシェードを活用して、博物館や美術館においての観光用ガイドアプリの実装が考えられます。映画館にて副題のない映画を字幕でAR表示すれば、訪日外国人にも需要があるのではないでしょうか。

さらに、商用利用が可能な「BT-350」は、2017年5月に販売予定です。スマートグラスを商用化することで、どのような展開が生まれるのでしょうか。今後の活躍に期待しましょう。

関連サイト
スマートグラス
ダークシェード
エプソン

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