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小学生から使える!Google Tango対応スマホで開発した「AR煙疑似体験アプリ」

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愛知工科大学工学部准教授で国立研究開発法人、防災科学技術研究所の客員研究員の板宮朋基(@Tomoki Itamiya)氏が2017年1月に、Google Tango対応スマホ「Phab 2 Pro」を使った「AR煙疑似体験アプリ」の動画を、自身のツイッター上に投稿しました。

同アプリは、疑似火災で部屋が煙で充満する様子を端末画面を通してみることが可能です。
多くのHMD端末の使用対象年齢は13歳以上ですが、Tangoデバイスは小学生でも利用ができます。

板宮朋基氏の経歴

板宮朋基氏の経歴は、以下の通りです。
2010年に慶應義塾大学 大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了、博士(政策・メディア)取得。
2010年4月~2014年3月 東京工科大学 デザイン学部助教を経て、2014年4月~現在、愛知工科大学 工学部 准教授。
VR/ARの社会応用(主に防災教育、手術支援)の研究をしています。

AR煙疑似体験アプリ

火災発生によって煙が室内に充満する様子を疑似体験できます。
煙は天井から充満する性質があり、吸い込まないためには姿勢を低くする必要があります。

煙が蔓延している写真

Google Tango対応スマホの「Phab 2 Pro」の機能を用いると、スマホの高さ情報を精密に取得が可能です。
立った状態では煙が充満して室内がほとんど見えませんが、ユーザーがしゃがんで床に近づくと煙が薄くなる様子が再現できます。
煙と空気の境目の「中性帯」の位置を実感できます。

防災煙疑似体験ARアプリ

姿勢を低くして避難する必要性が実感でき、簡易ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の「ハコスコ」を装着すると没入体験をすることが可能です。
自室やオフィスなど普段過ごす環境で実感できるため、日常的に危機意識を高めることができます。

「複数の消防士の方にも好評で、大変リアルであるとの評価を得ています。」と、板宮氏は述べています。

開発したきっかけ

このアプリを開発したきっかけを質問すると、「2年前からAR災害疑似体験アプリを開発し避難訓練で実用してきました。浸水や煙の疑似体験アプリは好評でしたが、従来のスマホは高さ位置情報は精密に取得できず、ユーザーの目線の高さをAR表示に反映できませんでした」と、同氏は話しています。

さらに、「そのため、3Dセンサーを搭載したGoogle Tango対応スマホ『Phab 2 Pro』のリリースを待ち望んでいました」とコメント。

同スマホの特徴は、Motion Tracking(モーショントラッキング)、Area Learning(エリアラーニング)、Depth Perception(深度センサー)の機能を使って、現実世界の空間を3Dスキャンできます。

作り方、今後の展開

「作り方はUnityのパーティクルを利用し、煙の出現位置や濃さを調整しました」と、開発についてコメント。

今後の展開を聞いてみると、「部屋の形状を認識させ、非常口の方向を示す機能の追加をしたいです。訓練以外に、非常時の誘導アプリとしての活用も目指しています」と、述べています。

さらに、「ARと防災は親和性がとても高く有用性があります。ぜひ産業化させて全オフィス・世帯に普及させたいです」と、意気込んでいます。

まとめ

Google Tango対応のスマホで高さの位置情報を取得できるのであれば、疑似火災でどのくらい煙を体内に吸い込んだかがわかるグラフや数字、あと何分で意識を失うかを端末画面の上部に表示できるかもしれません。
小学生だけでなく、大人にも一酸化炭素の毒性を認知させることができそうです。

消防士の火災現場の疑似体験アプリとしても、活用できそうですね。

今後の活躍に期待します。

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